コラム|ビズブースト株式会社

コンテンツマーケティングのKPIとは?KPIの種類と具体例、設定の方法・考え方についても解説

作成者: 戸栗 頌平(とぐりしょうへい)|Sep 16, 2025 11:00:00 AM

最近は、BtoB企業でもコンテンツマーケティングに力を入れる企業が増えました。

一方で、「コンテンツマーケティングを始めたけど、思っていたような成果が上がらない」「トラフィックは多いけど、どうもリード創出が今ひとつ……」「営業からリードの質がよくないと言われる、BtoBには向いていないかも……」などなど、運用上の課題を感じているマーケターの話も聞きます。

もし同じような問題を抱えているのであれば、コンテンツマーケティングのKPIを見直すべき時期かもしれません。同じ予算と時間を費やしていても、方向性が異なれば成果は大きく変わってくるためです。

本記事では、コンテンツマーケティングのKPIと設定の考え方、よくある間違いの例を紹介します。また、あわせてコンテンツマーケティングのタイプや、なぜ今の時代にBtoB企業がコンテンツマーケティングを実施すべきなのかも解説します。

コンテンツマーケティングとは?

米国のコンテンツマーケティング専門サイトContent Marketing Instituteによると、コンテンツマーケティングの定義は、以下のとおりです。

『コンテンツマーケティングとは、価値あるコンテンツを作成し、配信することで、明確に定義されたオーディエンスを惹きつけ、維持し、最終的に有益な顧客行動を引き起こすことに焦点を当てた戦略的マーケティングアプローチです。』

(出典:Content Marketing Institute

つまり、コンテンツマーケティングでは商品・サービスを売り込むのではなく、見込み客に役立つ情報を発信していくことで、自社を見つけてもらい、興味・関心を持ってもらい、最終的に購買につなげるためのマーケティングのことを示します。

なお、コンテンツとは企業Blog、オウンドメディアだけでなく、ウェビナー、SNS、プレスリリース、動画、ホワイトペーパー、電子書籍、メールマガジン、成功事例、販促資料など企業が作成する制作物すべてを指します。

コンテンツマーケティングの発展の背景

コンテンツマーケティングという言葉は、1996年に米国新聞編集者協会のジョン・F・オッペンダール氏によって生み出されました。もちろん、昔からコンテンツマーケティングに相当することは行われていましたが、概念が定義されたことにより、広く浸透し始めます。

タイミング的にインターネットが登場したころでもあり、コンテンツマーケティングはオンライン上のメディアの発展とともに進化してきたと言えるでしょう。企業はさまざまなチャネル、手法で情報を発信するようになりました。

コンテンツマーケティングのトレンドの移り変わりは速く、ここ数年だけでも以下のように変化しつつあります。

  • 企業Blog、オウンドメディア

        ↓

  • ウェビナー開催

     ↓

  • SNS(Facebook、X(旧 Twitter))を活用

     ↓

  • リッチコンテンツ(動画や音声、などを用いたコンテンツ)

2023年時点のContent marketing instituteの調査で、BtoBマーケターが過去1年でもっとも成果につながった手法は、以下の順位で動画、ウェビナーの躍進が目立ちます。ただ、テキストコンテンツの成果も安定しています。

1位 対面でのイベント
2位 バーチャル イベント/ウェビナー/オンライン コース
3位 調査レポート

(出典:Contentmarketing institute

BtoB企業になぜコンテンツマーケティングが必要なのか

インターネット登場以降、企業の購買スタイルが大きく変化したのはご存知のとおりです。昔は、企業の発注担当者の情報源は限られており、展示会、営業担当者、業界新聞、せいぜい業界内のダークソーシャルでした。

ところが、現在はオンライン上に多数の情報源があります。業界メディア、レビューサイト、各種SNS、各企業のウェブサイト、etc。オンライン上で十分な情報を入手できます。

2020年の米国の統計によると、B2B企業のバイヤーのカスタマージャーニーの70%近くを、見込み客がベンダーにコンタクトする前に完了しています。48%が購入を決定するための調査やROI分析をベンダーのウェブサイトに依存し、さらに53%は購入プロセス中にSNSをリソースとして使用しています。

お客様の購買フロー(企業にとっての営業フロー)は大きく変化し、前半ステージの主戦場はオンラインになったのです。

 


各企業の商品・サービスをまだ見ておらず、営業担当とも会ってない段階でベンダーを絞り込むとなると、ウェブサイトやblog、事例など企業が発信しているコンテンツの品質や量が重要になってきます。

2019年のBtoBマーケティングについての統計では、B2Bバイヤーがベンダーを選んだ理由のトップ 3 は「ソリューションとビジネス環境に関するベンダーの知識 (69%)」「バイヤーの会社とニーズに関するベンダーの知識 (65%)」「ベンダーが作成したコンテンツを提供する能力(62%)」です。コンテンツは、今や企業の能力を測る際の重要な基準になっているのです。

81 Relevant B2B Statistics: 2021/2022 Market Share Analysis & Data- Finance Online)

コンテンツマーケティングのKPIとは

コンテンツマーケティングでは、最終目標であるKGI(重要目標達成指標)の達成に向けて、中間的な数値目標(KPI)を設定することが重要です。このKGIとは、製品やサービスの購入、問い合わせ、メールマガジン登録などのコンバージョン行動を指します。

コンテンツマーケティングのKPIは、このようなコンバージョンを実現するために必要な要素を分解し、具体的な数値目標として設定したものです。たとえば、月間◯件の問い合わせ獲得をKGIとした場合、そのためには月間何件のウェブサイトアクセスや、何パーセントのクリック率が必要になるかなどを、KPIとして定量的に測ることができます。

こうしたKPIを設定することで、コンテンツマーケティング活動の進捗状況を確実に把握し、マーケティング戦略の効果を定量的に評価することが可能となります。適切なKPIを設定し、モニタリングを行うことが、成功に向けた土台となるのです。

KPI設計の前に知っておくべきコンテンツマーケティングの種類

コンテンツマーケティングが重要だからといって、単純にオウンドメディアやX(旧 Twitter)を始めればよいというものではありません。目的をしっかり決めてから始めないと、手段ありきになりがちです。多くのオウンドメディアが読者を集めながらもCloseしたのは、そのためではないかと思います。

コンテンツマーケティングにはいくつか型があります。ここでは、書籍『Webコンテンツマーケティング サイトを成功に導く現場の教科書』の「4つの方向性からビジネスゴールを設定する」の章から4つの種類を紹介します。

どのような型が自社の目的にあっているか確認しましょう。

(出典:CONTENTMARKETING LAB

1.ブランド認知(名前を覚えてもらう)型

ブランド認知(名前を覚えてもらう)とは、企業や商品・サービスのブランドを認知してもらうことを主な目的とするコンテンツマーケティングです。「知っているか知らないか」が、購入決定の大部分の要因になる商品・サービスの場合の目標として適しています。

BtoBでいうところの、よく使われる社名認知(ブランディング目的)のコンテンツマーケティングです。

2.ブランドロイヤリティ(ファンになってもらう)型

ブランドロイヤリティ型のコンテンツマーケティングは、既存顧客からの口コミや紹介などを重視する場合の目標として適しています。BtoBでいうところのリテンション(顧客維持)目的でよく使われるコンテンツマーケティングです。取引期間の長いBtoBの場合、既存顧客とコミュニケーションを深め、信頼関係を構築することはさまざまなメリットがあります。

3.カスタマーエデュケーション(正しい知識を持ってもらう)型

カスタマーエデュケーション型は、商品・サービスの検討期間が比較的長い商品・サービスの場合に有効な目標設定です。

売上げ向上だけでなく、顧客の知識が向上することにより、自社商品・サービスをより活用してもらうことや、簡単な内容の問合せの削減にもつながります。BtoBでいうところの、アクイジションでよく使われるコンテンツマーケティングです。

4.カスタマーエンゲージメント(日常的な関わりを持ってもらう)型

カスタマーエンゲージメント型とは、継続的な見込み客・顧客とのコミュニケーションにより、自社や商品・サービスにエンゲージメント(愛着、親しみ)を持ってもらうことを目的とするコンテンツマーケティングです。

生活者と関わり合うことが重要な商品・サービスの場合に有効と言われます。シャープ社の「死ぬほど嫌いな家事をおしえて」というTwitter投稿に、1万人以上の回答があり話題になりましたが、それが顕著な例と言えるでしょう。

※なお、本記事ではBtoBのペルソナに対して強い知識を持ってもらい、自社を選んでもらうこと(新規見込み客獲得)を目的とする「カスタマーエデュケーション」型を中心に話を進めていきます。

コンテンツマーケティングのKPIを設定する際の考え方

型が決まったらコンテンツマーケティングのKPIを決めていきます。コンテンツマーケティングの型によって、当然KGI(目的)は変わり、KPIもそれぞれ変わってきます。ここでは、KPI設定をする際の考え方をご紹介します。

KPIツリーの理解

KPIツリーとは、KGIから逆算してKPIを決めるフレームワークです。このアプローチでは、KGIから逆算して、その達成に必要な1次KPIを特定します。そして、1次KPIを達成するための2次KPI、さらにその2次KPIを達成するための3次KPIと、このように目標をブレークダウンしていく構造となっています。

この構造はマーケティングだけでなく、他のビジネスでも個人の目標設定においても同じなので理解しておきましょう。

もちろん、簡単な目標ならこのように複雑に設定する必要はありませんが、マーケティングのように長く複雑な工程の業務目標をチームで達成する場合は、このように構造化することが非常に重要です。

ファネルとコンテンツマーケティングの関係を理解

ファネルとは、見込み客が商品・サービスを初めて知ってから購入するまでの購買行動を可視化したフレームワークです。以下はパーチェスファネルといって、購買プロセスを「TOFU(認知)」「MOFU(興味・関心)」「BOFU(比較・検討)」の3段階に分けたファネルです。

TOFUのステージ

自分が何かを新しく買うときの心理になるとわかりやすいと思いますが、その方面に詳しくない場合は、人気ランキング、比較サイト、軽いブログ記事や、使っている人の感想をSNSで探すなど、ざっくりした情報から探すと思います。これがTOFUのステージです。TOFU用のコンテンツには入門ガイド、ブログ記事などがあります。

MOFUのステージ

概要がわかると、次は具体的にどんな感じで使うのか、自分が求めている機能があるか、手に届く価格か、具体的にどんなことまでできるか、買うメリットが本当にありそうかなどを検討します。これがMOFUの段階です。MOFU用のコンテンツには、導入事例、ホワイトペーパー、セミナー/ウェビナーなどがあります。

BOFUのステージ

さらに興味を持ち「購入してみたい」という意欲が強くなると、どの会社の商品がベストかを絞り込むために、無料トライアルを試したり、価格プランを比較したり、各プロダクトの事例を読み込んだりします。また、見積もりを依頼したり、問い合わせたりもするでしょう。これがBOFUの段階です。

コンテンツマーケティングのKPI例

コンテンツマーケティングのKPIの種類は豊富ですが、大きくエンゲージメントKPI、ブランド認知KPI、コンバージョンKPIの3種類に分けられます。ここからは、コンテンツマーケティングで抑えておくべきすべてのKPIを見ていきましょう。

エンゲージメントKPI

エンゲージメントKPIとは、ユーザーがコンテンツにどれだけ関わっているか、興味関心を示しているかを図る指標です。主なエンゲージメントKPIは以下の通りです。

オーガニック検索数/ページビュー数

オーガニック検索数とは、検索エンジンを通じて自然に獲得したウェブサイト訪問者の数を指します。ページビュー数は、特定のページがどれだけ閲覧されたかを示す指標です。

オーガニック検索数はSEOの効果を直接的に反映する指標であり、ウェブサイトが検索エンジンでどれだけ表示されているかを示します。たとえば、オーガニック検索数が低ければ、検索結果画面への表示回数が少ない、タイトルやメタディスクリプションが最適化されていないなどの原因が考えられます。

一方ページビュー数は、ウェブページがどれだけ閲覧されたかを示す指標です。ウェブサイトのコンテンツがどれだけ関心を引いているか、また訪問者がウェブサイト内でどれだけ多くのページを閲覧しているかを示す指標として使用されます。ページビュー数を見ることで、訪問者のウェブサイトへの興味関心の測定が可能です。

セッション数

セッション数は、ユーザーのウェブサイト訪問回数を表す指標です。セッションとは、ユーザーがサイトにアクセスしてから離れるまでの一連の活動を意味し、特定の期間内にウェブサイトに訪れた全てのセッションをカウントして計算されます。

セッションの長さには制限があり、「Googleアナリティクス4」では、一定時間(通常は30分)ユーザーの活動がない場合、セッションは終了と見なされます。

たとえば、1人のユーザーが30分以内に同じブラウザで3回ウェブサイトに訪問した場合、1ユーザー・1セッションと計測されます。一方、1つのブラウザでサイト内の2つのページを訪問し、30分後に再びページ訪問した場合、1ユーザー・2セッションとして計測されます。これは、30分の非活動期間を経て再びサイトにアクセスしたため、新しいセッションが開始されたと見なされるためです。

セッション数を見ることで、ユーザーがどれくらいの時間を過ごしているのか、エンゲージメントが高まりそうな時間帯を把握できます。たとえば、セッション数が多くてもページビュー数が少ない場合、ユーザーが適切な情報やコンテンツを簡単に見つけられていない可能性があります。この仮説から、ナビゲーションの改善や関連コンテンツの設置などの改善策が考えられるのです。

クリック率(CTR)

クリック率(CTR)は、広告や記事などが表示された回数に対して、どれだけの回数クリックされたかを示す比率です。計算式は以下の通りになります。


CTRが高ければ、記事や広告のタイトル、メールマガジンの件名などが魅力的であり、ターゲットの関心を惹けていることを示します。

ページの滞在時間

ページの滞在時間とは、ユーザーが特定のページ上で過ごした平均時間です。

ページの滞在時間はコンテンツの質とエンゲージメントの深さを反映します。長い滞在時間は、訪問者がコンテンツに興味を持ち、詳細に読んでいることを示します。一方、ページの滞在時間が短い場合、ユーザーが求める情報を提供できていない、ページの読み込み速度が遅いなどの原因が考えられるでしょう。

ページ滞在時間を分析することで、ユーザー体験やエンゲージメントの改善につながる洞察を得られるのです。

配信停止数

配信停止数は、メールマガジンやニュースレターの購読を解除したユーザーの数です。配信停止数は、メールマガジンの配信リストやコンテンツの質が最適化されているかどうかを評価するのに役立ちます。

配信停止数が多い場合、リストやコンテンツの見直しが必要となるでしょう。一方、配信停止数の増加を恐れて、配信回数を低くすることは、機会損失へとつながります。まずはコンテンツとターゲティングを見直し、配信停止数を低く保つようにしましょう。

コメント数

コメント数は、ブログやソーシャルメディアの投稿に対してユーザーが残したコメントの総数です。この指標を見ることで、各コンテンツに対するユーザーのエンゲージメントを測定できます。

たとえば、X(旧Twitter)でMAツールに関する投稿に対し好意的なコメントが多ければ、その内容を深堀りしたブログ記事や動画の制作をすることで、さらなるエンゲージメントを得られると考えられます。

このようにコメントの内容と数を分析すれば、エンゲージメントの高まるトピックを理解し、コンテンツ作成案の方向性を決定するヒントを得られます。

ブランド認知KPI

ブランド認知KPIは、ブランドや製品がどれだけ認識されているかを測定するための指標です。ここからは、ブランド認知KPIの詳細を見ていきましょう。

検索順位

検索順位は、特定のキーワードに関連するウェブページが検索エンジンの結果ページでどの位置に表示されるかを示し、SEO対策における最重要指標のひとつです。Google Search Consoleや他のSEOツールを使用することで測定できます。

検索順位を測定する上では、過去の順位や競合と比較することが重要です。たとえば、時間の経過とともに順位が下がっている場合、競合他社のウェブサイトがより効果的なSEO対策を行っているか、ユーザーニーズに対応できていない、または検索エンジンのアルゴリズム更新によってページの評価が変わったことが考えられます。

さらに、SEOの状況をより深く理解するためには、検索順位の変動を長期にわたって追跡し、季節変動や業界のトレンドの影響を考慮することが有効です。たとえば、季節商品やサービスを提供している場合、特定の時期に検索順位が上昇する傾向が見られるかもしれません。このようなパターンを理解することで、マーケティング活動を時期に合わせて計画し、価値の最大化へとつなげられます。

被リンク数

被リンク数は、他のウェブサイトから自社の特定ウェブページへのリンクの総数を示し、そのページの権威や信頼性を示す重要なSEO指標です。AhrefsやMozなどのSEOツールを使用することで測定できます。

Googleをはじめとする各検索エンジンは、有用で信頼性の高い情報を検索結果の上位に表示します。そして、情報の信頼性を測定するために被リンクが使用されているのです。

たとえば、同じ内容の記事が2つある場合、被リンク数が多い方が信頼性が高いとみなされ、検索ランキングで上位表示される確率が高まります。

被リンク数を増やすためには、まずは大前提として独自データやノウハウのある有益なコンテンツの制作が欠かせません。それから、SNSでのシェアやメール営業、プレスリリースへの掲載などをし、多くの人に見てもらう必要があります。

ソーシャル共有数

ソーシャル共有数は、X(旧 Twitter)やFacebook、Instagramなどのソーシャルメディアプラットフォームでコンテンツが共有・拡散された数です。共有数を見ることで、コンテンツの魅力やエンゲージメント、そして拡散力を把握できます。

ソーシャル共有数が多いコンテンツもまた、多くの人々の興味関心を得られているため、SNSを起点にブログ記事や動画、ホワイトペーパーなどのさまざまなコンテンツ制作に活かすことが可能です。

タグやメンション

ソーシャルメディア上で、ユーザーがハッシュタグを使ったり自社ブランド名や製品名を言及したりすることを「タグ」や「メンション」と呼びます。これらは、ブランドやコンテンツが認知され、話題になっている度合いを示す重要な指標となります。

最近はウェビナーを開催する際に専用のハッシュタグを設け、参加者に投稿を促すことで、ウェビナーの内容が参加者以外にも広く伝わるようにする施策が一般的です。Web制作会社baigieの代表・枌谷(そぎたに)氏が主催したパワーポイント活用に関するウェビナーでは、「#パワポ実況」というハッシュタグが用いられ、多くの参加者がX(旧Twitter)上で関連する投稿を行いました。

(出典:https://twitter.com/sogitani_baigie/status/1352176794154070019

タグやメンションの数を分析することで、どれだけ注目を集めているか、コンテンツがどの程度拡散されているか、そして自社コンテンツを積極的に拡散してくれるファンは誰かなどの把握ができます。

コンバージョンKPI

コンバージョンKPIは、コンテンツマーケティングやデジタルマーケティング活動が最終的な目標、つまり具体的なユーザーアクションへとどれだけ効果的につながったかを測定する指標です。ビジネスの収益やリード生成などを測定する重要なKPIのため、適切に理解を深めましょう。

コンバージョン率

コンバージョン率は、特定の期間にウェブサイトの訪問者数に対して、目的のアクション(購入、登録、ダウンロードなど)を行ったユーザーの割合を示す指標です。以下の計算式で算出します。


コンバージョン率の追跡により、各コンテンツマーケティング施策がどれだけリード獲得や購入などの成果に貢献しているのかを把握できます。

また、コンテンツやランディングページの最適化、ユーザーエクスペリエンスの改善につなげることも可能です。たとえば、メールマガジンのクリック数が十分ながらもコンバージョン率が低い場合、課題はメールマガジンから遷移するLPにあるとの仮説を立てられます。

コンバージョン率はコンテンツマーケティングの基本指標のため、各施策で測定するようにしましょう。

顧客転換率

顧客転換率は、リードや潜在顧客が実際の購買顧客に転換される割合を示す指標であり、B2Bビジネスで重視されることが多いです。計算式は以下の通りです。


このKPIは、コンテンツマーケティングで獲得するリードの質を測定する指標です。どれだけ多くのリードを獲得できたとしても、そのリードが顧客に転換されなければ、売上げにはつながりません。むしろ、営業やカスタマーサクセスなどが自社と関連性の低いリードにアプローチするため、各部門の負担増加やリソースの悪化などを招きます。

顧客に転換する良質なリードを獲得するためにも、顧客転換率を測定し、各種施策の改善やリソース分配を最適化しましょう。

リード数

リード数とは、コンテンツマーケティングによって獲得された見込み顧客の総数を指します。通常、顧客が企業に関する情報や連絡先などの個人情報を提供し、それに対して問い合わせやメールマガジンの登録、ウェビナーへの申し込みなどを行った際に、潜在顧客がリードに変換されます。

リード数は、ファネルの最初の段階(TOFU)における基本的なKPIであり、オウンドメディアへのトラフィックを増やしつつ、ユーザーにとって魅力的なコンテンツ(たとえば、ホワイトペーパーやウェビナー)を提供することで、コンバージョン数の増加を見込めます。

顧客獲得コスト(CAC)

顧客獲得コスト(CAC)は、新規顧客を獲得するのにかかった平均費用を示す指標です。マーケティングと営業の効率を測定し、新しい顧客を獲得するためにどれだけの投資をしたかを測定します。顧客獲得コストの算出方法は以下の通りです。


たとえば、コンテンツマーケティングに100万円、営業に200万円を投じた月に新規顧客を50人獲得した場合、顧客獲得コスト(CAC)は以下の計算式により求められます。

(100万円 + 200万円)÷ 50人 = 6万円

つまり、顧客一人を獲得するのに平均6万円かかっているということです。これはコンテンツマーケティングの費用対効果を測定する際にも活用でき、たとえば、「コンテンツマーケティング費 ÷ 獲得リード数」でコンテンツマーケティングにおける平均リード獲得コストを算出できます。顧客獲得コストが高い場合、各施策へのリソース配分の見直しや改善案の実施などが必要です。

顧客生涯価値(LTV)

顧客生涯価値(LTV)は、一人の顧客が 自社にもたらすと予想される全収益の総額です。この指標は、顧客がどれだけの価値を生み出すかを長期的な視点で評価するために使用されます。計算式は以下の通りです。


特にSaaS系企業においては、顧客生涯価値を高めることが重要です。高いLTVを持つ顧客は、長期的に安定した収益をもたらしてくれるため、企業の成長を支えます。

コンテンツマーケティングにおいては、Googleアナリティクスなどの分析ツールで、各チャネルにおける顧客の平均LTVを分析し、LTVが高い(ロイヤル顧客を多く創出している)チャネルに多くの予算を投下するなどの施策が考えられます。

費用対効果(ROI)

費用対効果(ROI)は、投資した予算に対して得られた収益の割合を示す指標です。計算式は以下の通りです。