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ドメインパワーを上げる方法とは?被リンク獲得による上げ方と目安を具体的に解説Column

2025.09.12

ドメインパワーを上げる方法とは?被リンク獲得による上げ方と目安を具体的に解説

BtoBマーケターの91%がコンテンツマーケティングに取り組んでいるという調査結果があるほど、BtoB企業にとってコンテンツマーケティングは欠かせない施策となっています。

ペルソナがオンラインで情報を取得するような購買行動を取る場合、検索エンジンにコンテンツを見つけてもらえるような施策を取ることは、優良な見込み客との接点構築や購買意欲の醸成など、さまざまな効果を見込めるため、BtoB企業との親和性は高いです。

検索エンジン対策に取り組み始めると、「検索結果上位表示にはドメインパワーの向上が欠かせない」と耳にすると思います。ドメインパワーを上げるためには、まずは自社が所属する業界のドメインパワーの目安を知り、優れたコンテンツを作成しなければいけません。

それでは、「優れたコンテンツ」とはどのようなものでしょうか。本記事では、ドメインパワーの目安やドメインパワーを上げる方法と具体的なコンテンツ、注意点を解説します。

ドメインパワーとは

ドメインパワーとは

(出典:Moz

ドメインパワーとは、世界的なSEOツールベンダーのMozが提唱した概念であり、Webサイトの信頼性や検索ランキングに表示される可能性を示した指標のことです。

「ドメインパワーを上げれば、検索ランキングは上がる」と誤解される担当者が多いですが、GoogleMozはドメインパワーはランキング要因ではないと明言しています。つまり、ドメインパワーが低くとも上位表示される可能性は十分にあるわけです。

それでは、なぜドメインパワーが重視されるのでしょうか。それはドメインパワーを計測すれば、SEOランクアップにつながる施策を立案できるためです。ドメインパワーを決めるうえで最も重要な要素は、Webサイトの信頼性を示す被リンクの数と質となります。

単純にドメインパワーを見るのではなく、被リンクされているコンテンツを分析すれば、SEOランクアップに欠かせない被リンク獲得対策へとつなげられるのです。また、自社よりもドメインパワーが低いサイトのキーワード状況を分析して、上位表示達成確率の高いキーワード選定も行えます。

このように、ドメインパワーは自社サイトの過去のパフォーマンスや競合他社との比較をする際に有効な指標なのです。Mozやahrefsなどのベンダーが提供する無料ツールを用いれば、簡単に自社のドメインパワーや被リンクの概要などを測定できます。

ドメインパワーがなぜ重要か

Googleは公式には、ドメインパワーを検索ランキングの要因としていないと述べています。しかしその一方で、実際にはドメインパワーが検索結果に影響を与えている可能性が高い、という研究結果も存在しています。

ドメインパワーをチェックするためのツール・Ahrefsのブログでは、「218,713のドメインを対象にした研究で、ドメインパワーとキーワードランキングの間に明確な相関関係が見られた」という主旨が述べられています。

ドメインパワーとキーワードランキングの相関関係

(出典:Website Authority Checker: Check the "Authority" Of Any Domain

この研究結果はあくまで相関関係を示しているだけに留まり、ドメインパワーが直接的なランキング要因であるという因果関係を証明しているわけではありません。

しかしSEOの観点から見れば、ドメインパワーは検索結果ランキングに間接的に影響を与える重要な要素だと推察できます。

冒頭でも述べたとおり、現状のドメインパワーを客観的に把握することで、Webサイトの信頼性を高める施策(具体的には、被リンクの数・質を向上させる取り組み)の必要性が見えてきます。その取り組みの結果が、SEOランクアップにつながると言えるでしょう。

ドメインパワーの目安

自社のドメインパワーだけを見て、一喜一憂してはいけません。たとえば、自社ドメインパワー70は良い数値のように思えますが、競合のドメインパワーが80ならば、そうとは言えません。

良い/悪いドメインパワーは競合の数値で決まるのです。ここからは、自社ドメインパワーの良し悪しを判断できるように、業界別のドメインパワーの目安をご紹介します。なお、ご紹介する目安は各業界の代表的な企業のWebサイトをahrefsのドメインパワー計測ツールで調べた値です。

SaaS業界

有名SaaS企業のドメインパワー

企業名

ドメインパワー

Sansan

71

サイボウズ

78

ラクス

71

マネーフォワード

81

オービックビジネスコンサルタント

74

EMシステムズ

58

Freee

80

Appier Group

75

ユーザベース

61

インフォマート

74

平均値

72.3

※2022年11月計測

情報通信業界

情報通信業界のドメインパワー目安

企業名

ドメインパワー

アルファシステムズ

50

ゼンリン

72

コネクシオ

58

インフォコム

63

兼松エレクトロニクス

57

富士ソフト

73

ネットワンシステムズ

64

ジャストシステム

76

プレイド

63

メドレー

58

平均値

63.4

※2022年11月計測

インターネット広告業界

インターネット広告業界のドメインパワー目安

企業名

ドメインパワー

PLAN-B

67

ジオコード

49

アナグラム

58

キーワードマーケティング

46

アドフレックス・コミュニケーションズ

39

サイバーエージェント

79

アイレップ

64

セプテーニ

62

オプト

71

MOLTS

33

平均値

56.8

※2022年11月計測

ドメインパワーを上げる方法

ドメインパワーを上げる方法は大きく、On-Page SEO(内部対策)とOff-Page SEO(外部対策)の2つに分類できます。まずはWebサイトの各ページを最適化し、検索順位を上げる施策On-Page SEOでドメインパワーを上げる3つの方法を見ていきましょう。

ページ数の増加

コンテンツ本数と訪問数の関係1

(出典:B2Bサイトにおけるコンテンツマーケティングのあるべき姿についての提言│WACUL

GoogleのウェブマスターJohn Mueller(ジョン)氏は、ページ数とSEOランクの関連性はないと明言していますが、多くのページを作成すれば、それだけ検索ランキングに表示される可能性や被リンクを獲得できる可能性が高まります。

また、株式会社WACULがBtoBサイトのSEOコンテンツと本数の関係を調査した結果、コンテンツ本数の増加に伴い訪問数も増加すると判明。ドメインパワー計測ツールを提供するahrefsによれば、ドメインパワーと流入数は比例関係にあるため、コンテンツ数を増やすことでドメインパワーの向上を見込めます。

SEOの基礎構造を強化する

SEOの基礎構造を強化することで、検索エンジンがコンテンツを正確に理解できるようになるほか、ユーザーエクスペリエンスも向上します。結果的に滞在時間や直帰率、インデックス速度などの改善につながるのです。基本のチェック項目は以下の通りです。

  • 各ページに主題が効果的に伝わるタイトルをつける
  • ページ内容を要約したメタディスクリプションを記述する
  • タイトルとメタディスクリプションにキーワードを入れる
  • 見出しタグでコンテンツを階層化する
  • 画像や動画の内容を正確に伝える代替テキストをつける
  • ページ内容を的確に示すキーワードをURLに含める
  • 関連性の高いページ同士を内部リンクでつなぐ
  • ページ表示スピードを最適化する

メタ情報の強化

メタ情報の強化

On-Page SEOで最も重要な対策のひとつが、検索エンジンにコンテンツ情報を伝えるメタ情報、特にタイトルとメタディスクリプションの強化です。

タイトルタグは検索エンジンがコンテンツ内容を理解する重要要素であるほか、ユーザーにコンテンツ内容を伝える役割があり、タイトル次第でクリック率は大幅に変化します。Semrushの実験によれば、タイトルタグのみの変更から3週間でクリック率が7.3%増加したのです。

メタディスクリプション

(出典:Twitter

「メタディスクリプションは検索結果のスニペットとして利用されるものであり、メタディスクリプションが設定されていない場合はGoogleが作成します。ランキング要因ではありません」

メタディスクリプションとは、検索結果画面のタイトル下に表示される記事の要約です。SEOに直接的な影響は与えませんが、GoogleのMartin Splitt(マーティン)氏は動画上で、「モバイルページにメタディスクリプションを追加するのを忘れないでください。メタディスクリプションはGoogleボットにとって重要です」と述べています。

それでは、良いメタディスクリプションはどのようなものでしょうか。約800万のWebサイトが使用するSEO対策プラグインのYoastは、下記条件を満たすメタディスクリプションの作成を推奨しています。

  • 155文字以内(日本語なら120字程度)に収める
  • キーワードを含める
  • ページ内容を要約する

タイトルとメタディスクリプションの最適化により、多くの流入が見込め、結果的にSEOランクやドメインパワーの向上が見込めます。

高品質な被リンクを獲得する

主に被リンク獲得を中心とした外部からの要素を最適化する施策を、Off-Page SEOと言います。被リンクの数と質こそが、Mozやahrefsなどのドメインパワー計測ツールが重要視する要素です。Off-Page SEO対策により自社サイトの信頼性や権威性が高まり、ドメインパワーの向上とSEOランクアップを見込めます。

被リンクの中でも、「gov」や「ac」などの権威性の高いドメインやドメインパワーの高いサイトからの被リンクは、ドメインパワーの向上に大きく貢献するため、被リンクの質にも注目しましょう。

被リンクは、SEOランキングにおいて最も重要な要素のひとつです。Googleは「サイトがウェブ上の他のサイトから十分にリンクされていない場合、クローラーが見落として、インデックスされにくくなる」という旨を公式に明言しています。

高品質な被リンクを獲得するためには、いくつかのポイントを理解する必要があります。具体的には、以下の要素が重要です。

  • 権威性があること

被リンク元のサイトが権威性を持ち、多くのトラフィックを生み出し、検索結果ページでランキング上位であることが重要です。つまり、多くのユーザーから「有益なコンテンツだ」と頻繁に参照され、支持を得ているサイトであることが大切です。特に、政府機関(.gov)や教育機関(.edu)のドメインからのリンクは、より大きな重みを持ちます。

  • 関連性があること

被リンク元のページが、あなたのWebサイトや業界と関連性があることが重要です。たとえば、IT企業のWebサイトが「ゴルフの上達法」に関するブログ投稿からリンクされている状態などは、関連性が低いため質の高い被リンクとは見なされにくいでしょう。

  • 独自性があること

被リンク元があなたのWebサイトにだけリンクをしており、競合他社にはリンクしていない場合、そのリンクはより価値があると言えるでしょう。あなたのサイトがニッチなキーワードでコンテンツを作って発信していて、その内容がよく参照され、ユーザーの支持を得ていると示しているからです。

  • 自然であること

Google は「Webサイトどうしの関連性を判断する重要な要素として、リンクをチェックしている」と明言しています。

しかし「とにかく数多くのリンクを貼れば、検索結果ランキングを操作できるのでは? 」といった発想でSEO対策に取り組むのは「ブラックハット(悪質な)SEO」に該当します。コンテンツ内容からして関連性の薄いリンクを数多く張り巡らしていたりすると、「リンクスパム」と見なされる場合があります。

リンクスパムに該当しないためには、

  • 他サイトに有償でリンクを貼ってもらった状態ではないこと
  • アンカーテキストリンクが宣伝を目的とした誘導ではないこと
  • 被リンク元ページのリンク数が自然であること(外部サイトへの誘導を目的に大量のテキストリンクを仕掛けていない、など)

といったポイントを理解しましょう。

ドメインパワーが上がる高品質な被リンクを獲得する方法

多くのマーケティング担当者は被リンクは重要と理解していながらも、なかなか被リンクを獲得できないと悩んでいるのではないでしょうか。ここからは、被リンク対策を中心としたOff-Page SEO施策をご紹介します。

被リンクされるような高品質なコンテンツを作る

高品質な被リンクを獲得するためには、まず被リンクされる価値のあるコンテンツを作成することが重要です。たとえば、以下のような取り組みが価値あるコンテンツの創出に有効です。

読者の課題やニーズに深く寄り添い、彼らにとって価値のある、すなわち、ビジネスの課題解決に寄与する情報を提供することが重要です。コンテンツに接触した読者の中で「この会社は、役に立つ情報を提供してくれている」といった印象が残れば、自社に対して高い関心を向けてもらうことにつながり、信頼性向上も期待できます。

ターゲット層にとって価値あるコンテンツを継続的に生み出すポイントは

  • ペルソナ設定を行う
  • カスタマージャーニーの洞察をする
  • E-E-A-Tを満たすコンテンツを作る

の3点です。

ペルソナ設定とは、自社にとっての理想的な顧客像を具体的に描き出し、架空の人物像を設定することです。「ペルソナが欲している情報とはどんなものか? 」と突き詰めて考えることで、興味関心やニーズに合致するコンテンツ作りにつながるでしょう。

LEAPTのペルソナ例 (1)

(出典:BtoBペルソナの作り方とその実例をわかりやすく解説

また、カスタマージャーニーとは、顧客が製品・サービスを購入するまでの過程を指します。カスタマージャーニーを理解することで、たとえば「クラウド会計ソフトの比較検討フェーズにある見込み顧客にとって、もっとも必要な情報は? 」など、顧客が求める情報を先回りして具体的に洞察し、タイムリーに提供することにつながります。

そして、E-E-A-Tとは「Experience(経験)」「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trustworthiness(信頼性)」の頭文字を取ったものです。コンテンツがこれらの要素を満たしていることは、ユーザーにとって価値が高く、信頼できる情報であることを意味します。特に、専門的な知識や経験に基づく情報は、ユーザーの問題解決に役立つでしょう。

ビジュアルコンテンツを活用する

ビジュアルコンテンツ

(出典:WordStream

記事内にオリジナル画像やインフォグラフィック、図表などを設置することで、被リンクを獲得できる可能性が高まります。

たとえば、デジタルマーケティングに関する情報発信をするWordStreamは、ドメインパワー90という驚異的な数値を達成していますが、成功要因のひとつにオリジナルのインフォグラフィックを積極的に活用していることが挙げられるでしょう。

クリック単価解説記事

WordStreamのクリック単価解説記事内には、各業界のクリック単価をまとめたインフォグラフィックが設置されていることもあり、たった1つのページで520もの被リンクを獲得しているのです。積極的にデータをビジュアル化し、ユーザーの視認性の向上と被リンク獲得を目指しましょう。

コンテンツを拡散する

どれほど優れたコンテンツを制作しても、多くのユーザーに認知してもらえなければ、被リンクは獲得できません。良質なコンテンツを制作したら、SNSやEメール、プレスリリースなどのさまざまなチャネルで拡散しましょう。

また、自社と関連性の高いWebサイトをリストアップし、被リンクを無償で貼ってくれそうなサイトには、メールやSNSなどで接触してみましょう。海外では、企業間でこのような取り組みが一般的に行われています。特に、リンク切れを起こしているサイトがあれば、リンク切れの指摘と共に自社コンテンツの代替を提案することで、リンクを設置してもらえる成功率が高まります。

深くて網羅的な記事を作成する

特定のトピックに関する全体像を網羅した記事は、多くの被リンク獲得が期待できます。たとえば、メール配信システムを提供するBenchmark Emailによる「メールマーケティング初心者向けガイド」は1500の被リンク、株式会社ベイジによる「デザイナーじゃなくても知っておきたい色と配色の基本」は197の被リンクを獲得しているのです。

読者が求める情報を包括的に提供することが重要です。トピックに関連する最新データ、異なる視点、関連する研究結果など、読者が他のソースを探さなくてもよいように要点を盛り込むことで、記事の価値を高め、拡散や被リンク獲得の可能性も向上します。

一方で、網羅的なコンテンツを作るとどうしても情報量が増えてしまう可能性があります。情報量が増えることによって読者にも読む負担をかけてしまい、逆に読んでもらえなくなる可能性が生じます。読み手のことを考え、読みやすくする工夫をしましょう。

たとえば、以下のような工夫が挙げられます。

  • 冗長な表現にならないように、簡潔でわかりやすい表現を使う。
  • ペルソナやカスタマージャーニーを意識して、読者が本当に知りたい内容を記載する。
  • 文字だけではなく画像やインフォグラフィック、動画等を活用して、読者が視覚的にも情報を整理・理解できるようにする。

リスト型コンテンツを作成する

リスト型コンテンツとは、「被リンク獲得のための14の対策」のように有益な情報をリスト形式で解説したコンテンツです。MozとBuzzSumoが共同で100万記事を調査した結果によれば、リスト型コンテンツは動画やインフォグラフィックよりも多くのシェアと被リンクを創出すると判明しています。

クリック単価解説記事

BACKLINKOの記事「19 NEW SEO Techniques For 2022(2022年に向けた19の新しいSEOテクニック)」は、2600もの被リンクを獲得しているのです。対策やテクニック、実例、ポイント、ツール紹介などの記事はリスト形式で作成してみるとよいかもしれません。

権威のある外部サイト・ブログにリンク掲載を依頼する

権威のある外部サイトやブログからのリンクを獲得することで、自社サイトのドメインパワーを高めることができます。重要なポイントは、自社と関連性が高く、信頼できるサイトからのリンクを得ることです。

業界に関連性の高いWebメディアに寄稿する

自社が属する業界関連のWebサイト(例:IT系や、マーケティング系のWebメディアなど)に寄稿して、その記事内に自社のオウンドメディア記事などのリンクを挿入します。高いドメインパワーを持つサイトを選ぶことで、リンクの価値が高まります。

MarkeZine

(出典:コンテンツマーケティングを軌道に乗せる3ステップ )

外部パートナーやサプライヤーにリンクを依頼する

外部パートナーやサプライヤーなど、既に取引のある企業に、自社サイトへのリンクを依頼します。これらの企業は既にあなたの会社を信頼しているため、彼らのWebサイトから無償のリンク設置を検討してもらえる余地が大きいでしょう。

著者情報 戸栗 頌平(とぐりしょうへい)

株式会社LEAPT(レプト)の代表。BtoB専業のマーケティング支援会社でのコンサルティング業務、自社マーケティング業務、営業業務などを経て、HubSpot日本法人の立ち上げを一人で行い、後に日本法人第1号社員マーケティング責任者として創業期を牽引。B2Bの中小規模企業のマーケティングに精通。趣味で国外のマーケティングイベント、スポーツイベント、ボランティアなどに参加している。

※ この記事はLEAPTブログから移行されました。詳しくはこちらをご覧ください。