コラム|ビズブースト株式会社

リスティング広告のやり方|配信開始まで9ステップの手順と所要日数・工数の目安

作成者: 高野 大介(たかの だいすけ)|2026/10/28 0:00

リスティング広告をやると決めたのに、最初の一手が分からない。管理画面を開いたものの、キャンペーン・広告文・入札と項目が多く、そっと閉じてしまった。リスティング広告のやり方を調べる方の多くが、この場所で止まっています。

リスティング広告は、検索結果に連動して表示されるクリック課金型の広告です。仕組みや媒体の基本は別記事にまとめているため(リスティング広告とは(基本と媒体の解説)はこちら)、本記事では繰り返しません。

本記事は、実施を決めた方が配信開始まで到達するための手順書です。Google広告を例に進めます。BtoBの自社商材で効果が出るのか、実施の可否をまだ検討している段階の方は、先に判断材料をまとめた記事をご覧ください。

【リンク設定:btob リスティング広告(導入・読者切り分け部)】

リスティング広告の始め方は、大きく分けて9ステップ。最短でも2〜3週間かかります。読み終えるころには、全工程と所要日数・工数を見積もり、着手計画を社内に共有できる状態になれるはずです。まず、その全体像から見ていきます。

 

リスティング広告のやり方の全体像
配信開始までの9ステップと所要日数

リスティング広告の配信開始までは、①出稿前の準備、②アカウント開設、③アカウント構成の設計、④キーワード・広告文の入稿、⑤配信設定、⑥支払い設定、⑦コンバージョン計測の設定、⑧審査、⑨配信開始、の9ステップです。私たちが支援の現場で見てきた限り、片手間の週数時間で進める場合、最短でも2〜3週間かかります。

時間を左右するのは、手を動かす作業量よりも「計測タグ設置の社外依頼」と「審査」という待ち時間です。先に全体像を掴んでおけば、いつ配信が始まるかを社内に示せます。

リスティング広告の全工程と所要日数の一覧表

9つの工程は「所要時間」「作業か判断か」「社外依頼の有無」「後から直せるか」の4つの目で見ると迷いません。次の一覧表が本記事の地図です。所要目安はいずれも支援先での実感値であり、幅をもって読んでください。

STEP

工程

所要目安

作業/判断

社外依頼

後から直せるか

1

出稿前の準備

3〜5時間

判断が中心

なし

直せるが、後工程が全部やり直しになる

2

アカウント開設

30分

作業

なし

―

3

アカウント構成の設計

2〜3時間

判断

なし

直せるが、学習・データが実質リセットされる

4

キーワード・広告文の入稿

2〜3時間

作業

なし

直せる

5

配信設定

30分〜1時間

作業

なし

直せる

6

支払い設定

30分

作業

なし(経理へ事前確認)

直せる

7

コンバージョン計測の設定

依頼込みで数日〜2週間

判断+作業

あり(情シス・制作会社)

設定は直せるが、データは遡れない

8

審査

1営業日程度(詳細は後述)

待ち

なし

―

9

配信開始

―

作業

なし

いつでも一時停止できる

表のとおり、社外への依頼が発生するのはSTEP7の計測タグ設置だけです。ここが全体の律速になるため、依頼をいつ出すかが配信開始日を決めます。

「後から直せるか」の列にも注目してください。大半の設定は後から直せるので、迷って手が止まるくらいなら進めて構いません。直しにくい工程だけ、着手前に立ち止まる価値があります。

最短でも2〜3週間——週単位のスケジュール例

最短で配信開始に届くコツは、「自分で進める作業」と「依頼して待つ作業」を並走させることです。具体的には、タグ設置の依頼を準備と同じ週に出してしまいます。

週

自分で進める作業

依頼して待つ作業

1週目

出稿前の準備(4項目)・チェックリスト作成

計測タグの設置を情シス・制作会社へ依頼

2週目

アカウント開設・構成設計・入稿・配信/支払い設定

タグ設置の完了待ち

3週目

コンバージョン計測の動作確認・審査・配信開始

―

依頼を後回しにすると、待ち時間がそのまま総所要日数に上乗せされます。たとえばWebサイトの更新を制作会社の月次保守枠で頼んでいる場合、タグ設置の対応が2週間後になり、入稿まで終わっているのに配信できないという待ち状態が起こりがちです。

この表は、そのまま役員・上司への報告に使えます。ただし依頼先の状況で前後するため、「必ず3週間で開始できる」とは約束せず、依頼の納期を確認したうえで日付を入れてください。

工程には「作業」と「判断」がある——難所は3つ

時間よりも重要な区別があります。9ステップの大半は手順どおりに片づく「作業」ですが、3つだけ、自社で決めるしかない「判断」が混ざっています。何をコンバージョンとして計測するか、アカウント構成をどう切るか、計測をどう段取りするか、の3つです。

この3つが難所になる理由は共通しています。正解が管理画面にも手順書にも書いていないこと、そして間違えても配信はできてしまい、後から「広告費を使ったのに何も分からない」という形で表面化することです。

本記事では、以降の章でこの難所3つに印をつけて、他の工程より厚く説明します。それでは最初のステップ、出稿前の準備からです。

 

リスティング広告の出稿前の準備(STEP1)
先に決める4項目とチェックリスト

管理画面を触る前に、①目的とコンバージョンの定義、②体制と工数、③素材とタグ設置の依頼先、④予算、の4項目を決めておきます。準備を飛ばしても設定は進んでしまいますが、その場合は後の工程がすべてやり直しになります。過去に「試しに少額出稿したが何も分からず終わった」経験があるなら、原因はほぼ間違いなくこの準備の不足です。

広告の目的と「何をコンバージョンとして計測するか」を決める(難所1)

最初に決めるのは、広告の目的と「何をコンバージョン(CV)として計測するか」です。ここが難所の1つ目にあたります。

目的は「どんなリードを月何件獲得したいか」を1行で言語化すれば十分です。難しいのはコンバージョンの定義です。単価が高く検討期間の長いBtoB商材では、問い合わせだけをCVにすると件数が少なすぎて、配信結果を評価する材料が貯まりません。

そこで、すでにサイトにあるCV候補の中から、複数を計測対象に決めておきます。※以降の数値例は、いずれも説明のための仮の値です。

CV候補

商談への近さ

件数の出やすさ

問い合わせ

近い

少ない(月数件)

資料ダウンロード

中間

比較的多い(月十数件)

セミナー・ウェビナー申込

中間

テーマ次第

たとえば受注単価の高いシステム受託開発なら、問い合わせは月数件でも、資料ダウンロードなら月十数件が見込めます。商談に近いCVと件数の出るCVを組み合わせて登録しておくと、少ない予算でも判断材料が貯まります。

なお、この記事で扱うのは「既にあるCVポイントのうち、何を計測に登録するか」の判断までです。CVポイントの新設やLP設計まで踏み込んだ設計論は、BtoB特有の構造とあわせて別記事で扱います。

体制と工数を決める——誰が週何時間やるのか

次に、実作業と判断の担当を分けます。管理画面の操作は部下に任せられますが、CVの定義・構成・予算といった判断まで丸投げすると、そこで作業が止まります。判断は責任者が持ってください。

工数の目安は、初期設定が合計10時間前後、配信開始後も週数時間がかかり続けます(いずれも支援先での実感値です)。開始後の工数については後の章で詳しく扱います。営業責任者が判断を持ち、実作業は部下が週3時間で進める、といった分担を先に決めておくと、スケジュールが現実的になります。

必要な素材を揃え、タグ設置の依頼先をこの段階で確認する

素材として揃えるのは、①LP(広告の受け皿ページ)、②広告文の材料、③支払い情報、の3つです。LPは既存のサービス紹介ページからで構いません。新規制作の要否は本記事の範囲外ですが、「広告をクリックした人が、検索した内容の答えにたどり着けるページ」があれば開始できます。広告文の材料は、商材の強み・実績の数字・対象(業種・規模)を箇条書きにしておきます。支払い情報は法人カードなどです。

素材と並んで、この段階で必ずやっておきたいのが「計測タグを誰が設置できるか」の確認です。自社でサイトを触れる人がいなければ、情シスか制作会社への依頼になります。依頼のリードタイムを先に聞いておき、スケジュール例のとおり準備週のうちに依頼を出してください。もし依頼できる相手が見つからない場合は、タグ設置を含めた初期設定の支援を外部に求める選択肢もあります。

予算を決めておく

予算は、目標から逆算して先に決めておきます。後の配信設定で日予算として入力するためです。金額の決め方(目標商談数からの逆算・相場・下限の考え方)は別記事で解説しているため、本記事では決まっている前提で進めます。

リスティング広告の費用相場は月20万〜50万円|目標商談数から逆算する適正予算の決め方

準備物チェックリスト

準備4項目を、社内共有や依頼メールにそのまま使えるチェックリストにまとめます。すべて埋まってから管理画面に向かうと、以降のステップは止まらずに進みます。

    • 広告の目的(どんなリードを月何件)を1行で
    • 計測するコンバージョン(複数)
    • 実作業者と判断者の分担
    • 週に割ける作業時間
    • LPのURL
    • 広告文の材料(強み・数字・対象)
    • 支払い情報(法人カードなど)
    • タグ設置の依頼先と納期
    • 予算(月額)

 

リスティング広告のアカウント開設とアカウント構成の設計(STEP2〜3)

準備が整ったら、管理画面での作業に入ります。アカウント開設は30分で終わる「作業」ですが、その直後のアカウント構成の設計は自社で決めるしかない「判断」であり、後の運用のしやすさを左右します。この対比を最初の実作業で押さえてください。

Google広告のアカウント開設はエキスパートモードで

Google広告のアカウントは、Googleアカウントがあれば30分程度で開設できます。注意点は実質1つだけです。開設時の既定は簡易的なフロー(スマートモード)になっており、そのまま進めるとキャンペーンの詳細設定や手動での入札ができません。最初にエキスパートモードへ切り替えてから進めてください(2026年7月時点の仕様)。

開設ウィザードでは広告の「目標」などを聞かれますが、ここで迷って止まる必要はありません。後から変更できる項目なので、まずは開設を終わらせることを優先します。

キャンペーンと広告グループの階層を理解する

構成の設計に入る前に、Google広告の階層構造を押さえます。アカウントの中は、アカウント→キャンペーン→広告グループ→キーワード・広告、の4階層です。会社にたとえると、会社(アカウント)の下に事業部(キャンペーン)があり、課(広告グループ)ごとに担当業務(キーワードと広告文)が割り当てられているイメージです。


重要なのは「どの階層で何を設定するか」です。予算・配信地域・スケジュール・入札はキャンペーンに、キーワードと広告文は広告グループに属します。そして、同じ広告グループに入れたキーワードには同じ広告文が表示されます。この動作原理が、次の「構成をどう切るか」を決める土台になります。

アカウント構成の切り方(難所2)——商材・目的で分ける

構成の設計が難所の2つ目です。分け方の判断軸はシンプルで、予算を分けて管理したい単位でキャンペーンを分け、広告文を変えたい単位で広告グループを分けます。たとえば商材が受託開発とパッケージ製品の2つなら、キャンペーン2本、それぞれの下に訴求の違いで広告グループを2〜3個、という形から始めます。


検索ボリュームの少ないBtoB商材では、「細分化しすぎない」が原則です。キャンペーンや広告グループを細かく分けるほど、1つあたりのデータが薄まり、学習も評価もできなくなります。最初は最小限に区切り、データが貯まってから分割を検討してください。

「間違えたらやり直しになるのか」が気になるところですが、構成の変更自体は後からできます。ただし、蓄積された学習・データは新しい構成に引き継がれず、実質的にやり直しになります。ここが難所である理由です。構成の切り方だけは、着手前に第三者に確認しておく価値があります。

リスティング広告のキーワードと広告文の入稿(STEP4)

区切った広告グループに、キーワードと広告文を入稿します。キーワードは商談に近い検索語から最小限で始め、広告文は「検索語・広告文・LPの一致」を守って作る。この2つで配信の中身は完成です。

キーワードを選んで入稿する——要点のみ

キーワードは、自社の商談に近い検索語(商材名×比較・導入・価格など)を少数に絞って入稿します。最初からむやみに広げないことが要点です。なお、入稿画面ではキーワードごとにマッチタイプ(検索語との一致範囲)を選びますが、既定は最も広く配信される部分一致になっています。

キーワードの種類や選定ツール、掛け合わせの作り方、除外設計といった選定の詳細は、別記事で扱います。

 

 

広告文の作り方の基本——見出しと説明文に何を書くか

Google広告の検索広告は、レスポンシブ検索広告(RSA)という形式です。複数の見出しと説明文を登録しておくと、組み合わせが自動で表示されます。


作り方の基本は3点です。第一に、検索語を見出しに含めること。「システム受託 外注」で検索する人には「受託開発の外注先をお探しの方へ」のような見出しが応えます。第二に、LPに書いていないことを約束しないこと。広告文とLPがズレるとクリックされても離脱されます。第三に、BtoBなら対象と数字で絞ることです。「BtoB専業・導入実績◯社」のように業種・規模・実績を明示すると、社内の個人的な検索や学生の調べものなど、見込みのないクリックを減らせます。

凝ったコピーを考えるのは後で構いません。検索語・広告文・LPの一致は、Google広告が広告を評価する指標(品質スコア)にも影響します。入稿段階では、凝った表現よりもこの「一致」の3点を守ることを優先してください。

 

リスティング広告の配信設定と支払い設定(STEP5〜6)
初期設定の落とし穴

配信設定と支払い設定は、どちらも手順どおりに片づく作業です。ただし既定値のまま進めると意図しない配信が始まる項目があるため、「何を選ぶか」の基準だけ押さえてください。

配信設定で決める5項目——地域・スケジュール・ネットワーク・日予算・入札

キャンペーンの配信設定で決めるのは5項目です。共通原則は「絞って始めて、後から広げる」です。

項目

初期の選び方

地域

商圏・対応エリアに絞る

スケジュール

初期は絞りすぎない(様子を見てBtoBなら営業時間中心も選択肢)

ネットワーク

検索パートナー・ディスプレイネットワークのチェックを外し、検索結果のみに配信

日予算

月予算÷約30.4で設定

入札戦略

初期はクリック数の最大化などシンプルな戦略で開始し、CVが貯まってから自動入札を検討

特に注意したいのがネットワークと日予算です。ネットワークは既定で検索パートナーやディスプレイ面への配信がオンになっており、そのままだと検索結果以外にも広告が出ます(2026年7月時点の仕様)。まず検索のみに絞るのが定石です。予算は日単位で設定し、月の上限はおおむね日予算×30.4日分になります。月予算24万円なら日予算は約8,000円です。日によって消化額は変動しますが、月間では上限が守られる仕組みです。

支払い設定と経理への連携

支払い方法(クレジットカードなど)の登録自体は数分で終わります。つまずくのはむしろ社内側です。経理には、費用処理の方法・カードの限度額・請求のタイミングを事前に確認しておいてください。広告費が月末にカードの限度額を圧迫し、配信が止まるという事故は実際に起こります。

リスティング広告のコンバージョン計測の設定(STEP7)
最大の難所

コンバージョン計測の設定は、「何を計測するか(準備で決定済み)→管理画面での計測設定→計測タグの設置」の3手順です。タグの設置だけは社内外の協力が必要で、ここが難所の3つ目、そして配信開始までの律速工程になります。配信前に必ず完了させてください。本記事で最も重要な指示です。

準備で決めたコンバージョンを設定に落とす

管理画面で、準備段階で決めたCV(問い合わせ・資料ダウンロードなど)をコンバージョンアクションとして登録します。複数のCVを登録する場合は、商談に近いCVを主要な成果、手前のCVを参考指標として区別しておくと、後の評価がぶれません。

決めてあれば、登録作業自体は難しくありません。難しいのは決める方です。もしここで「何を登録すべきか」に迷ったら、準備の章に戻ってください。

計測タグの設置——社内外への依頼で止まりやすい

登録したCVを実際に計測するには、Webサイトへのタグ設置が必要です。設置方法は、サイトに直接タグを埋め込むか、Googleタグマネージャー(GTM)を経由するかの2択ですが、いずれにしてもサイトを触れる人しか作業できません。自社で触れないなら、情シスか制作会社への依頼になります。


依頼で止まらないコツは、依頼文に「何を・どこに・いつまでに」を明記することです。骨子はこうなります。「問い合わせ完了ページ(サンクスページ)にGoogle広告のコンバージョンタグを設置してください。タグは当方で発行します。◯日までにお願いします。設置後に当方でテスト送信して動作確認します」。この4点が揃っていれば、往復のやり取りが大きく減ります。

リードタイムは依頼先次第で数日〜数週間かかります。だからこそ、スケジュール例で示したとおり準備週のうちに依頼を出しておくのです。

計測データは後から取り戻せない——配信前に必ず完了させる

計測を配信前に完了させるべき理由は、データを遡って取れないからです。コンバージョンは、計測を設定した日からしか記録されません。計測なしで配信を始めれば、広告費は消化されるのに「どのキーワードが良かったのか」「そもそも成果があったのか」が永遠に分からないままです。

「試しに少額で出してみたが、何も分からずに終わった」という相談を受けて配信履歴を確認すると、ほぼ例外なく計測が入っていませんでした。同じ失敗を繰り返さないために、配信開始の条件を2つだけ覚えてください。コンバージョンアクションが登録済みであること、タグの動作確認(テスト計測)が済んでいることです。

CVの設計とタグ設置の段取りは、着手前に一度、外部の目で確認しておくと安心な工程です。

リスティング広告の審査から配信開始まで(STEP8〜9)
所要日数と初日にやること

広告を入稿すると、審査は自動で始まります。ここでは審査にかかる日数と、配信が始まった直後にやることを押さえます。

リスティング広告の審査にかかる日数と不承認時の対応

Google広告の審査は、ほとんどの場合1営業日以内に完了します(Google広告ヘルプ「広告の審査プロセス」・2026年7月参照)。2営業日を過ぎても審査が終わらない場合は、管理画面でステータスを確認してください。

媒体

審査・配信開始までの目安

出典

Google広告

ほとんどの場合1営業日以内に審査完了

Google広告ヘルプ「広告の審査プロセス」(2026年7月参照)

Yahoo!広告

新規入稿から配信開始まで3営業日前後かかる場合がある

LINEヤフー広告ヘルプ「審査とは」(2026年7月参照)【要確認:ヘルプページがJS描画のため、公開前にブラウザで文言を目視確認する(記事番号H000045001)】

審査で不承認になっても、アカウントに傷が残るわけではありません。管理画面に表示される不承認理由を確認し、該当箇所を修正して再申請すれば完了です。よくある不承認理由には、根拠を示せない「No.1」などの最上級表現や、広告文とリンク先の内容の不一致があります。なお、媒体の仕様は変わるため、出稿時点で最新のヘルプを確認してください。

配信開始後、最初の1〜2週間で確認すること

審査に通れば配信が始まります。ただし配信開始はゴールではなくスタートです。最初の1〜2週間にやることは2つに絞ってください。

1つ目は検索語句レポートの確認です。実際にどんな検索語で広告が表示・クリックされたかを見て、明らかに見込みのない検索語があれば除外します。2つ目はコンバージョン計測の動作確認です。実際のCVが管理画面に記録されているかを確認します。

入札の調整や広告文の差し替えといった本格的な改善は、データが貯まってからで構いません。この段階で設定を頻繁に触ると、かえって評価ができなくなります。

リスティング広告のやり方で初心者がつまずきやすい設定・判断5選

ここまでの各章で触れた注意点を、一覧に集約します。初心者のつまずきの大半は次の5つで、いずれも「なぜ起きるか」を知っていれば防げます。そして5つのうち4つは後から直せます。直せないのは最後の1つだけです。

つまずき

なぜ起きるか

どう防ぐか

後から直せるか

①スマートモードのままアカウント開設

簡易フローが既定になっている

開設時にエキスパートモードへ切り替える

切り替え可能だが二度手間になる

②検索パートナー・ディスプレイ面への意図しない配信

ネットワーク設定が既定でオン

キャンペーン設定でチェックを外す

直せる

③配信対象の広げすぎ(部分一致+除外なし)

マッチタイプの既定が部分一致

検索語句レポートを確認し、見込みのない語を除外

直せる(消化した広告費は戻らない)

④日予算と月予算の誤解

予算が日単位で、消化額が日により変動する仕様

月予算÷約30.4で日予算を設定

直せる

⑤計測なしでの配信開始

計測がなくても配信はできてしまう

配信前にCV登録とタグの動作確認を完了

直せない(データは遡れない)

③の出稿前にやっておく除外キーワードの設計は、キーワード選定の記事で詳しく扱います。

唯一取り返しがつかない⑤だけは、この表を見返してでも防いでください。逆に言えば、それ以外は「起きたら直せばいい」ものです。設定ミスへの恐れで着手が止まっているなら、必要以上に構える必要はありません。

 

リスティング広告は自分でできる?
難所と配信開始後の工数の現実

最後に、多くの方が検索している「リスティング広告は自分でできるのか」という問いに正面から答えます。結論から言えば、手順の大半は自社だけで問題なくできます。ただし、難所3つには正解が社外になく、配信開始後も工数がかかり続けます。この2点を織り込んで体制を決めれば、自社運用は十分成立します。

手順どおりでできる工程と、自社で決めるしかない難所

9ステップを「手順どおりでできるか」で仕分けると、次のようになります。

工程

自社だけでできるか

アカウント開設・入稿・配信設定・支払い設定・審査対応

○ 手順どおりで問題なくできる

コンバージョンの定義(難所1)

△ 自社の商談構造でしか決められない

アカウント構成の設計(難所2)

△ 直すと学習がリセットされ、実質やり直し

計測タグの設置・段取り(難所3)

△ 社内外の協力が必要で、データは遡れない

難所が難しいのは、操作が複雑だからではありません。手順書をいくら読み込んでも答えが載っていない、「判断」だからです。裏を返せば、難所は3つだけです。ここさえ着手前に押さえれば、残りは手順書のとおり進みます。

配信開始後にかかり続ける工数と、上司の質問への答え方

もう1つの現実は、配信開始後の工数です。検索語句の確認、予算消化の監視、広告文の手直しで、週数時間はかかり続けます(私たちの支援経験からの目安です)。この継続工数まで含めて社内に示せれば、上司からの定番の質問にはすべて答えられます。

上司の質問

答えの所在

いつ始まるのか

週単位スケジュール(本記事の全体像の章)

本業は大丈夫か

初期設定10時間前後+週数時間の継続工数

失敗したらいくら損するのか

日予算の上限までしか使われない

途中でやめられるのか

管理画面からいつでも一時停止できる

手順を読み終えて「思ったより重い」と感じた場合の選択肢は、運用を外部に任せることだけではありません。手順は自社で進めつつ、難所の設計だけ外部と壁打ちする、という部分的な頼り方もあります。任せるかどうかの判断材料は、別記事で整理しています。

リスティング広告運用代行とは?費用相場・業務範囲・代理店の選び方


まとめ
リスティング広告のやり方を着手計画に落とし、動き出す

リスティング広告の配信開始までは9ステップ、最短でも2〜3週間です。本記事の要点は3つあります。第一に、律速はタグ設置の社外依頼と審査であり、依頼を準備週に出せばスケジュールは約束できること。第二に、工程の大半は手順どおりの作業だが、コンバージョンの定義・アカウント構成・計測タグの3つだけは自社で決めるしかない難所であること。第三に、その難所を含む準備の質が、後工程すべての成否を決めることです。

今日からやることは明確です。準備物チェックリストを埋め、週単位のスケジュール表に日付を入れて、社内に共有してください。それだけで「何から手を付ければいいか分からない」状態は終わります。

一方で、難所3つの答えは手順書にも本記事にもありません。自社の商談構造から決めるしかなく、間違いは配信後に「何も分からない」という形で現れ、やり直しが効きにくい。だからこそ、着手前に一度だけ外部の目を入れる価値があります。

リスティング広告のやり方に関するよくある質問

Q1. Yahoo!広告にも同時に出稿すべきですか?

最初はGoogle広告1媒体での立ち上げをおすすめします。2媒体同時はアカウント構成・計測設定・確認作業が単純に2倍になり、片手間の体制では回りません。Google広告で型ができてから、同じ構成をYahoo!広告に展開するのが現実的です。

Q2. 広告はすぐに停止・再開できますか?

管理画面からいつでも一時停止・再開できます。日予算の上限もあるため、「始めたらやめられない」施策ではありません。ただし停止と再開を短期間に繰り返すと配信が安定しないため、見直しは期間を区切って行ってください。

Q3. 運用代行に頼む場合、この記事の準備は不要ですか?

準備4項目のうち、目的とコンバージョンの定義だけは代行会社にも決められません。自社の商談構造を知っているのは自社だけだからです。発注する場合も、準備の章で決めた内容がそのまま要件定義になります。

 

設定を始める前に、難所だけ30分の壁打ちを

設定を始める前に、コンバージョンの定義とアカウント構成だけ一緒に見ませんか。ここを間違えたまま配信すると、広告費を使っても何が良かったのか分からないまま終わります。ビズブーストは、リスティング広告の初期設計から運用、MA/CRM(Salesforce・HubSpot)との接続までを一気通貫で支援しています。丸投げの相談でなくて構いません。着手前の30分、難所の答え合わせにご利用ください。