コラム|ビズブースト株式会社

Salesforce研修の形式・費用と研修計画の立て方|誰に・いつ・何を学ばせるか

Salesforce研修のコース一覧を何本も開いたのに、自社が何を選べばよいのかが決まらない。「管理 I」「認定アドミニストレーター」といった名前を見ても、自社の誰が受けるべきものなのか分からない。稼働日が近づくなかで教育の手配を任された営業マネージャーの多くが、この状態で手が止まります。

決まらないのは、調べ方が悪いからではありません。そもそも人を育てる難しさは多くの組織に共通していて、厚生労働省が2026年7月に公表した令和7年度「能力開発基本調査」でも、能力開発や人材育成に何らかの問題があるとする事業所は80.1%にのぼります(調査時点は令和7年10月・全国7,194事業所を対象・有効回答率54.2%。出典:厚生労働省「令和7年度能力開発基本調査の結果」 )。ただ、Salesforce研修に限れば、決まらない原因はもっとはっきりしています。世の中の情報のほとんどが「どんな研修サービスがあるか」の一覧であるのに対し、実際に決めなければならないのは「誰に・いつ・何を学ばせるか」という研修計画だからです。研修は買うものではなく、組み立てるものです。

 

本記事では、Salesforce研修の6つの形式と費用の考え方を整理したうえで、対象者×時期で研修計画を1枚に描く方法、無料のTrailheadで足りる範囲と有料研修が必要になる範囲の線引き、認定資格の要否までを解説します。読み終えるころには、教育費の内訳を経営層に説明できる研修計画の下書きが手元に残るはずです。なお、Salesforce導入全体の進め方は別記事で解説しています。

①Salesforce導入「Salesforce導入の進め方はこちら」


 

Salesforce研修の6つの形式と費用の考え方

Salesforce研修は6つの形式に整理でき、どれが合うかは「人数規模」「日程の自由度」「カスタマイズの可否」「稼働日までのスケジュール」の4つの軸で決まります。そして「研修費用はいくらか」という問いに相場で答えることはできません。費用は「単価×人数×回数」の掛け算で決まるため、誰に受けさせるかが決まらないうちは金額も決まらないからです。まず形式の全体像から見ていきます。

研修の形式は6つ|それぞれの向き不向き

Salesforce研修は、提供元の会社名ではなく形式で整理すると選びやすくなります。形式は次の6つです。

形式

概要

向いている場面

集合研修(公開講座)

提供元の会場・日程に個人単位で参加する

少人数を体系的に学ばせたいとき

オンライン研修(ライブ配信)

講師のライブ授業にリモートで参加する

拠点が分かれていても同時に学ばせたいとき

講師派遣(自社開催)

講師を自社に招き、1開催単位で実施する

10名以上をまとめて学ばせたいとき

eラーニング・オンデマンド

録画教材を各自のペースで視聴する

日程調整が難しく、すき間時間で進めたいとき

個別(プライベート)研修

自社専用にカリキュラムを組んで開催する

自社のSalesforce環境や営業プロセスに合わせたいとき

無料の自習(Trailhead)

Salesforce公式の無料学習サイトで自習する

費用をかけずに今日から始めたいとき

このうち有料の研修については、Salesforceが認定講師によるトレーニングコースを公式に提供しており、受講者の役割・レベル・導入製品(Sales Cloud、Service Cloud、Account Engagementなど)に応じたコースが用意されています(2026年8月時点。出典:Salesforce「Salesforce認定講師によるトレーニングコース」 )。研修会社や導入支援会社が提供する研修も、形式としてはこの6分類のいずれかに収まります。

1つ注意したいのは、ベンダーの導入支援に含まれる「トレーニング1日」との守備範囲の違いです。私たちが支援の現場で見てきた限り、導入支援に含まれるトレーニングは稼働時の操作説明が中心で、組織としての教育を担う独立した研修サービスとは役割が異なります。提案書に「トレーニング」の記載があるからと教育の工程を丸ごと省くと稼働後に手当てが必要になり、逆に中身を確認せず研修を発注すると同じ内容を二重に払うことになります。両方の中身を突き合わせてから計画を立ててください。

形式選びの4つの比較軸|人数・日程・カスタマイズ・稼働日への間に合い方

6つの形式は、4つの軸で比較すると実務上2〜3形式まで絞れます。

形式

人数規模

日程の自由度

カスタマイズ

稼働日への間に合い方

集合研修(公開講座)

1〜数名向き

低(開催日程に合わせる)

不可

開催日次第。数週間前の確保が必要

オンライン研修(ライブ配信)

1〜数名向き

低〜中

不可

集合研修よりは調整しやすい

講師派遣(自社開催)

10名以上で有利

中(講師側と調整)

可

日程調整に数週間かかる

eラーニング・オンデマンド

人数を問わない

高(即日開始できる)

不可

間に合わせやすい

個別(プライベート)研修

数名〜数十名

中

可

日程調整に数週間かかる

無料の自習(Trailhead)

人数を問わない

高(即日開始できる)

不可

間に合わせやすいが、時間確保が前提

この4軸のなかで、導入直前の組織に最も重要なのは「稼働日に間に合うかどうか」です。集合研修や講師派遣は日程調整に数週間かかるため、稼働まで6週間しかないような状況では、実務上の選択肢から外れがちです。その結果、準備期間の短い「ライブ配信」や「eラーニング」を中心とした組み立てになります。このように稼働日から逆算することで、取るべき手段は自然と絞られます。

なお、どの提供元に頼むかという選び方には、Salesforce導入・活用支援サービスの選定軸と共通する部分があります。

支援サービス比較「Salesforce導入・活用支援サービスの選び方はこちら」

費用は「単価×人数×回数」で決まる|相場より先に構造を知る

研修費用の見積もりで最初に押さえるべきは、形式によって単価の単位が違うことです。集合研修やeラーニングは「1人あたり」の単価で、人数に比例して総額が増えます。講師派遣や個別研修は「1開催あたり」の単価で、一定人数までは人数が増えても総額が変わりません。

そのため、人数によって形式の損得が逆転します。本記事では以降、営業メンバー15名+管理者候補2名という組織を例に説明します(説明のための仮定であり、業界平均や推奨構成ではありません)。15名全員を1人単価の集合研修に出すと単価×15名分かかりますが、講師派遣なら1開催分の費用で済む場合があります。逆に、受講させたいのが管理者候補2名だけなら、公開講座に2名を出すほうが安く収まりやすいでしょう。具体的な受講料は形式や提供元によって幅があるため、候補を絞ったうえで最新の情報を確認してください。

つまり、対象者を決めることが、そのまま予算を決めることになります。教育費の稟議が通らないと悩む前に、まず誰に受けさせるかを絞ることから始めてください。

人材開発支援助成金で実質負担を下げる|経営層への説明材料

「ライセンスと構築費のほかに、まだ費用がかかるのか」という経営層の反応には、公的制度の活用可否を添えて答えるのが有効です。厚生労働省の人材開発支援助成金は、要件を満たす研修の経費や賃金の一部が助成される制度で、令和8年度の「事業展開等リスキリング支援コース」では、中小企業の場合で経費助成率75%(大企業60%)、賃金助成は1人1時間あたり1,000円(大企業500円)とされています。受講者1人あたりの経費助成限度額は、中小企業では訓練時間に応じて30万〜50万円です(※ただし、eラーニング形式の場合は1人あたり一律15万円が上限となります)。

出典:厚生労働省「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)」令和8年度  

ただし、要件には注意が必要です。対象となるのは訓練時間10時間以上のOFF-JTで、事前に「事業展開等実施計画」の提出が求められます。10時間以上という下限があるため、半日研修1回だけでは対象になりません。また、eラーニングや定額制サービスは経費助成のみで賃金助成の対象外となるなど、形式によって扱いが変わります。制度の内容は年度で変わるため、申請前に必ず最新の支給要領を管轄の労働局で確認してください。

経営層への稟議は、助成金の適用可否とあわせて「誰に・何を・いくらで」の内訳で出すと通しやすくなります。

対象者

学ばせる内容

概算の考え方

全メンバー(例:15名)

日々の入力と参照

1人単価型なら単価×15名分。講師派遣なら1開催分

管理者候補(例:2名)

設定・レポート作成

公式コースなど1人単価×2名分

マネージャー自身

ダッシュボードの見方

無料の範囲+社内共有で抑える選択も可能

なお、この研修を人事部門の人材開発の枠で見るのか営業部門の予算で見るのかは、稟議の前に人事と一言すり合わせておくと後の整理が楽になります。

費用の構造と下げ方が分かったところで、いよいよこの記事の本題です。「誰に」をどう決めるかに進みます。

Salesforce研修計画の立て方|誰に・いつ・何を学ばせるか

コース一覧を何本見ても決まらなかったのは、決めるべきものが「どの会社の研修か」ではなく「誰に・いつ・何を学ばせるか」だからです。対象者を3つの役割に、時期を3つに分ければ、研修計画は1枚のマトリクスで描けます。この章がこの記事の中核です。

対象者を3つの役割に分ける|全メンバー・管理者候補・マネージャー自身

受講対象は「全メンバー」「管理者候補」「マネージャー自身」の3つに分けてください。役割ごとに必要な学習がまったく違うため、全員に同じ研修を受けさせる必要はありません。

役割

人数の目安

学ぶこと

全メンバー

組織全員(例:15名)

商談の登録・更新など、日々の入力と参照

管理者候補

1〜2名

項目追加・レポート作成・権限などの設定

マネージャー自身

1名

ダッシュボードの見方、会議での使い方

全メンバーに必要なのは「使えること」です。商談を登録して更新できれば日々の業務は回り、項目設計やフローの知識は要りません。一方、管理者候補は「設定する側」に立つため、学ぶ範囲も深さも別物になります。上位の研修案内にある「管理者向け」「開発者向け」「マーケター向け」という分類を見ても自社の誰が該当するのか分からなかったのは、職種の分類だからです。自社の組織の中の役割に引き直せば、迷いは減ります。

そしてマネージャー自身は、全部を先回りして学ぶ必要はありません。必要なのはダッシュボードの見方と、会議でどう使うかという「見る側」の範囲です。部下より詳しくない状態で受講を指示することに負い目を感じる必要はなく、役割が違うのだと割り切ってかまいません。なお、管理者候補の育成を1人に絞ると、その人の異動・退職で組織の知識が失われるため、可能なら2名にしておくことをおすすめします。

Salesforceの内製化に関する具体的なステップやポイントについては、後日公開予定の別記事にて詳しく解説いたします。 

 研修で実際に教わる中身、つまりSalesforceの操作や用語については、後日公開予定の別記事にて詳しく解説いたします。 

役割ごとに必要な学習の深さと時間の目安

「Salesforceは難しいのか」「勉強時間はどれくらい必要か」という質問には、役割を分けてからでないと答えられません。難易度は学ぶ範囲によってまったく違うからです。

役割

必要な深さ

学習時間の目安(仮説)

全メンバー

入力・参照の操作に慣れる

数時間〜1日で入り口に立てる

管理者候補

設定を体系的に理解する

数日単位の研修+稼働後の継続学習

マネージャー自身

数字の見方が分かる

数時間+会議での実践

エンドユーザーとして使う範囲は、短時間で入り口に立てます。一方、管理者として設定する範囲は覚えることが体系的に積み上がっていくため、腰を据えた学習が前提です。この表の時間はいずれも私たちの支援経験に基づく目安であり、組織の状況によって変わる仮説として扱ってください。

深さを決めずに研修を選ぶと、「全員向けには過剰で、管理者候補向けには不足」という中途半端な選択になりがちです。役割ごとの深さが決まれば、それぞれのスキルアップに必要な手段も自然に絞られます。

稼働日を起点に3つの時期で設計する|稼働前・稼働直後・稼働3ヶ月後

研修は1回で済ませず、稼働日を起点に3つの時期に分けて設計してください。

時期

学ぶこと

その時期である理由

稼働前

最小限の操作(ログイン・商談の登録と更新)

前倒しして詰め込んでも、使わない知識は稼働時に忘れている

稼働直後

実データでの運用、つまずきの解消

初期の混乱を放置すると「使いにくい」という評価が固定される

稼働3ヶ月後

活用の深掘り(レポートの活用など)

基本操作が身についてからのほうが吸収される

ありがちな失敗は、稼働1ヶ月前に丸1日の研修で全内容を詰め込むパターンです。稼働時にはほとんど忘れられていて、操作の問い合わせがマネージャーに集中する光景を、私たちは支援先で繰り返し見てきました。学習は一度きりのイベントではなく、稼働をまたいで続く工程として置くほうが、結果的に教育の総量は少なくて済みます。

もう1つ、時期の設計には日程調整のリードタイムも含めてください。前述のとおり集合研修や講師派遣は手配に数週間かかるため、稼働前に実施したいなら逆算して動く必要があります。 

対象者×時期の研修計画マトリクス|営業15名の例

役割と時期が揃えば、研修計画は3×3の9マスに手段を割り当てるだけです。営業メンバー15名+管理者候補2名の例で記入すると、次のようになります。

 

稼働前

稼働直後

稼働3ヶ月後

全メンバー(15名)

講師派遣またはライブ配信で最小限の操作

Trailhead・eラーニングで反復

(空欄。必要が出てから検討)

管理者候補(2名)

公式コースで設定の基礎

実環境での設定と疑問の解消

公式コースの続き、または資格を到達目標に

マネージャー自身

(空欄)

ダッシュボードの見方を社内共有で

会議での活用を深める

この記入例は、これまでの支援で見てきたパターンをもとにした叩き台です。重要なのは3点だけです。第一に、全マスを埋める必要はありません。空欄は手抜きではなく「この時期この対象には学ばせない」という判断であり、それも計画の一部です。第二に、費用がかかるのは9マスのうち一部に絞られるため、全員分を一度に発注するより総額は現実的な範囲に収まります。第三に、各マスの手段を無料にするか有料にするかは、次の章の線引きで塗り分けます。

自社の人数構成でこのマトリクスを描く際は、後日公開予定のテンプレートをご活用ください。

研修を受けさせれば、現場は使うようになるのか

なりません。研修は定着の必要条件であって、十分条件ではありません。1人数万円を15名分払っても、それだけで3ヶ月後に全員が入力している状態は作れません。

研修が作れるのは「操作が分かる」状態までです。入力し続ける理由、つまり入力すると本人の仕事が楽になる運用は、研修では作れません。実際、研修直後の1週間は入力されたのに1ヶ月後には元に戻った、という組織を支援のなかで見てきましたが、原因は研修の質ではなく、受けた後の運用側にありました。だからこそ、研修計画には「受けた後」を含めてください。教育は定着施策の1つであり、受けた後の運用づくりについては「Salesforce定着化の進め方|定着しない3つの原因と4つの指標、改善手順」で扱っています。

メンバーへの説明も、この因果を踏まえると変わります。「監視のために入力しろ」ではなく、「入力すれば報告資料を別途作らなくて済む」「離席中も自分の商談が守られる」という本人の利益として伝えるほうが、研修への納得感は高まります。

この答えがあるからこそ、教育費の判断に確信が持てます。研修は無駄ではなく、ただし研修だけでは足りない。その前提で計画を立ててください。

無料のTrailheadで足りる範囲と、有料のSalesforce研修が必要になる範囲

無料と有料の線は、「役割×学習内容」で引きます。全メンバーの「使う範囲」はTrailhead中心で組めることが多く、管理者候補の「設定する範囲」は有料研修のほうが効率的です。ただし無料の実質コストは業務時間であり、時間を確保しなければ無料でも進みません。順に見ていきます。

Trailhead(無料)でできること

TrailheadはSalesforce公式の無料オンライン学習サイトです。日本語のコンテンツがあり、モジュール単位で役割に合わせて選べるため、費用をかけずに今日から始められます(利用には無料のアカウント登録が必要です。出典:Salesforce「Trailhead」 )。導入前でも試せるので、稼働を待たずに触れさせる素材としても使えます。

有料研修が必要になる範囲|役割×学習内容の線引き

私たちの支援経験では、線は次のように引けます(いずれも目安であり、組織の状況で変わります)。

役割

学習内容

無料/有料の目安

全メンバー

商談の入力・参照

Trailhead中心+社内での展開で組める場合が多い

管理者候補

項目・レポート・権限などの設定

体系的な有料研修のほうが時間効率がよい傾向

マネージャー自身

ダッシュボードの見方

無料+社内共有で足りることが多い

管理者候補だけ有料が候補になるのは、設定領域を独学で調べながら進めると、体系的なコースで学ぶより結果的に時間がかかるケースが多いからです。稼働日という締切がある以上、時間を金で買う価値が出るのはこの範囲です。この線引きの結果を、前の章のマトリクスの手段欄に「無料/有料」で塗り分ければ、研修計画はほぼ完成します。

「自習しておいて」で進まない理由|無料の条件は業務時間の確保

無料で組む場合に1つだけ条件があります。業務時間の確保です。「各自でTrailheadをやっておいて」という丸投げでは、まず進みません。ある支援先では、1ヶ月後に進んでいたのは16名中2名でした(人数は状況を示すための一例です)。進まないのは意欲の問題ではなく、通常業務を抱えたまま自習の時間を捻出できないという時間の問題です。

無料とは「費用を時間で払う」形式だと捉えてください。稼働前の2週間は週2時間を学習枠として業務時間内に確保する、といった枠の設定までが計画です。時間を区切って渡せば、「忙しいのに研修か」というメンバーの反応にも「この枠だけでいい」と答えられます。

無料中心で組める組織、有料を組み込むべき組織

無料中心で組めるかどうかは、次の4条件で判断できます。

判断軸

無料中心で組めるサイン

有料を組み込むべきサイン

人数規模

少人数で進捗に目が届く

人数が多く自習の進捗管理が難しい

稼働日までの残り時間

余裕がある

残りが少ない(有料の時間圧縮が効く)

管理者候補

すでに設定に触れる人がいる

これから育てる

教えられる人

社内にいる

社内にいない

たとえば稼働日まで6週間で、社内に教えられる人がいない組織なら、全員をTrailheadで走らせるより、管理者候補に有料研修を先行させて社内に「教えられる人」を作るほうが早く回り始めます。外部の研修や支援に頼るかどうかの分岐も、この4条件の延長にあります。

稟議の観点でも、この順序は有効です。無料で始められる範囲を先に固めれば、稟議に載せるのは有料が必要な箇所だけになり、金額も理由も説明しやすくなります。残る判断はあと1つ、資格まで取らせるかどうかです。

Salesforce認定資格は取らせる必要があるか

営業メンバー全員に取らせる必要はありません。目指すゴールは資格取得者数ではなく、「稼働後にメンバーが毎日入力している状態」だからです。ただし管理者候補に限っては、検討する価値があります。

 

全員に取らせる必要はない|目的は資格ではなく「毎日入力している状態」

Salesforceには認定アドミニストレーター(管理者向け)をはじめとする認定資格の体系があり、公式トレーニングは資格取得までの学習パスも用意しています(前述のSalesforce公式トレーニングページ参照)。しかし、全メンバーに必要なのは「使えること」であり、試験範囲の多くは日々の入力・参照とは別の領域です。資格取得を全員の目標に置くと、学習の目的が試験に合格することへすり替わり、肝心の業務利用が置き去りになります。全員向けの到達目標は、資格ではなく「自分の商談を自分で登録・更新できる」で十分です。

管理者候補に取らせるかの判断基準

管理者候補に限っては、資格が学習の到達目標として機能する場合があります。判断の目安は次のとおりです。

判断

当てはまる状況

到達目標として検討する価値がある

設定を体系的に学ばせたい/学習の到達点を明確にしたい/本人の学習動機になる

急がなくてよい

稼働直後で実務が優先/設定をまだ支援会社に任せている段階

注意したいのは時期です。稼働直後は実環境の設定という実務が最優先であり、資格の学習を並行させると両方が中途半端になりがちです。取らせるなら稼働3ヶ月後以降の到達目標に置く、という形でマトリクスの管理者候補の行に書き足すのが現実的です。これで、研修計画に必要な判断はすべて出揃いました。

Salesforce導入については、後日公開予定の別記事にて詳しく解説いたします。

まとめ|Salesforce研修は「買うもの」ではなく「組み立てるもの」

Salesforce研修は、サービスの一覧から選ぼうとすると決まりません。決めるべきものは「誰に・いつ・何を学ばせるか」であり、それはこの記事の3つの道具で組み立てられます。

  • 対象者は3つの役割に分ける。全員研修か管理者1人かの二択ではなく、全メンバー・管理者候補・マネージャー自身で学ぶ深さを変える
  • 時期は稼働日を起点に3つに分ける。稼働前は最小限、稼働直後に実データで、3ヶ月後に深掘りする
  • 無料と有料の線は役割×学習内容で引く。認定資格は全員には不要で、管理者候補の到達目標として検討すれば足りる

費用は「単価×人数×回数」で決まるため、対象者を絞ることがそのまま予算づくりになります。人材開発支援助成金という公的制度も、稟議の後押しになります。

まず今週、対象者を3つの役割に分けて、それぞれに必要な学習の深さを書き出してみてください。それだけでマトリクスの半分は埋まります。ただし、役割の割り当てと無料・有料の線引きは、自社の人員構成とメンバーのスキル状況によって変わります。記事の記入例はあくまで叩き台として、自社の1枚に描き直すことが出発点です。 

 

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