Defualt

【Slack活用ラボ】第2回:Salesforce連携を試してみるColumn

2026.10.21

【Slack活用ラボ】第2回:Salesforce連携を試してみる

 

ビズブーストでは、Salesforce運用に課題を持つ企業様に向けた無料相談を実施中です。 戦略の見直しから、具体的な運用改善提案までご支援いたします。お気軽にご相談ください。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
前回は、Slackのライセンス体系と、プロからビジネスプラスにアップグレードすることで注目したい機能についてご紹介しました。

第2回となる今回は、外部サービス連携の第一弾として、Salesforceとの連携を取り上げます。
SalesforceとSlackを連携することで、Slack上からSalesforceの情報を確認したり、レコードを作成・更新したりできます。

しかし、今回注目したいのは、単にSlackからSalesforceを操作できるということではありません。
Slackbotの「スキル」を活用して、自社の業務ルールに沿ったレコード作成を行うという使い方です。

弊社では、Salesforceで商談を作成する際に、取引先や取引先責任者の確認、法人番号の登録、取引先責任者の役割の設定など、いくつかの社内ルールを設けています。

これらを毎回手作業で行うのは、意外と手間がかかります。また、入力すべき項目や関連付けを忘れてしまうこともあります。

そこで今回は、Slackbotに業務ルールを覚えてもらい、商談作成をサポートする「商談作成スキル」を紹介します。

 

Slackbotのスキルで、社内ルールに沿った商談作成に挑戦!

Slackbotのスキルとは?

Slackbotのスキルとは、Slackbotに実行してほしい作業内容や手順を登録しておく機能です。

たとえば、毎回同じ項目を確認する作業や、決められた手順に沿って情報を整理する作業などをスキルとして作成できます。
一度スキルを登録しておけば、Slackbotに依頼するたびに細かな業務ルールを説明する必要がなくなります。

さらに、作成したスキルはほかのメンバーに共有することもできます。
スキルの活用例としては、次のようなものが考えられます。

  • 営業会議に向けた商談情報の整理
  • 顧客との打ち合わせ内容の要約
  • Salesforceへのレコード登録
  • 問い合わせ内容の整理と対応方針の作成
  • 定型レポートの作成準備


特に、毎回決まった手順で行う業務や、入力漏れを防ぎたい業務との相性がよい機能です。

また、スキルはプログラミングを行わなくても、Slackbotと自然言語でやり取りしながら作成できます。

「この手順を追加したい」「この条件の場合は確認してほしい」といった要望を文章で伝えることで、スキルを調整できるのが特徴です。

※スキルから外部システムの情報を参照したり操作したりする場合は、対応するアプリやMCPサーバーの接続設定、利用権限が必要です。


今回作成する「商談作成スキル」

今回のテーマは、Salesforceの商談作成です。

商談を登録するときは、商談名や金額、フェーズなどを入力するだけでなく、取引先や取引先責任者などの関連情報も確認する必要があります。

弊社では、商談登録時に以下のようなルールを設けています。


  1. 取引先の確認
    商談に紐付ける取引先がSalesforceに登録されているかを確認します。
    登録されていない場合は、新たに取引先を作成します。
  2. 法人番号の登録
    新規で取引先を作成する場合は、法人番号を登録するルールとしています。
    法人番号は、国税庁法人番号公表サイトで確認します。
  3. 取引先責任者の確認
    商談に関係する取引先責任者がSalesforceに登録されているかを確認します。
    登録されていない場合は、新規作成するかどうかをユーザーに確認します。
  4. 取引先責任者の役割の設定
    Salesforceには、商談と取引先責任者を関連付ける[取引先責任者の役割]という機能があります。
    弊社では、この関連付けを忘れないよう、商談作成時に該当する取引先責任者を設定することとしています。
  5. 商談情報をまとめたcanvasの作成
    商談作成後には、商談に至った経緯や背景情報をcanvasにまとめます。
    さらに、作成したcanvasへのリンクをSalesforceの商談レコードに記載し、必要なときに参照できるようにします。

    この一連のルールを、Slackbotのスキルに登録していきます。

自然言語でスキルを作成してみる

スキルの作成は、Slackbotの[スキル]タブから始められます。

[スキルを追加する]をクリックすると、[Slackbot で作成する]または[ゼロから作成する]という方法を選択できます。
今回は、Slackbotと会話しながら作成する方法を紹介します。

最初に、作りたいスキルの目的を伝えます。

「Salesforceに商談を作成するスキルを作りたいです。商談の内容を伝えたら、必要な情報を確認してレコードを作成してください」

これを出発点として、必要な業務ルールを追加していきます。
たとえば、取引先の確認については、次のように指示します。

「商談に紐付ける取引先がSalesforceに存在するか確認してください。登録されていなければ、新規で取引先を作成してください」

さらに、法人番号についても追加します。

「取引先を新規作成する場合は、国税庁法人番号公表サイトを参照し、法人番号を確認してください。法人名と所在地も照合し、特定できない場合はユーザーに確認してください」

このように、普段の業務で守っているルールを文章で伝えていきます。
また、忘れがちな[取引先責任者の役割]についても指示します。

「商談に関係する取引先責任者を確認し、商談の[取引先責任者の役割]に設定してください。取引先責任者が登録されていない場合は、新規作成するかどうか確認してください」

最後に、canvasの作成についても追加します。

「商談作成後は、商談の経緯や背景情報をcanvasにまとめ、作成したSalesforce商談レコードへのリンクを記載してください」

このような形で、スキルに必要な手順を組み込んでいきます。

今回のポイントは、こうしたスキルの作成や修正を、Slackbotとの自然言語によるやり取りで進められることです。
従来であれば、複数の処理を組み合わせた自動化を実現するために、個別の設定や開発が必要になることもありました。
Slackbotのスキルでは、実行したい手順を会話形式で定義できるため、業務担当者自身が考えているルールを反映しやすくなります。

ただし、自然言語で手順を定義できることと、外部システムで必要な操作がすべて実行できることは別です。Salesforceのレコード作成やcanvas作成などは、接続されたツールとその権限の範囲で実行されます。
Slack_lab_02_talk


Slack_lab_02_phase


商談作成スキルを使ってみる

それでは、作成したスキルを使って商談を登録する流れを見ていきます。
たとえば、次のようにSlackbotに依頼します。

「サンプル株式会社向けに、Salesforce導入支援の商談を作成してください。金額は200万円、完了予定日は11月末です。先日の打ち合わせでは、営業管理の効率化について相談がありました」

このような依頼に対して、作成したスキルでは、必要な情報の確認から商談登録までを一連の手順として扱います。

▶︎まず取引先があるかを確認

最初に、Salesforce上に「サンプル株式会社」という取引先が存在するかを確認します。

すでに取引先が登録されていれば、そのレコードを使用します。
登録されていなければ、新規作成の手順に進みます。

その際、国税庁法人番号公表サイトを参照して法人番号を調べ、企業名や所在地を確認します。
法人番号公表サイトでは、法人の名称、所在地、法人番号という基本3情報を確認できます。

同名の企業が複数存在する場合などは、誤った取引先を作成しないよう、ユーザーに確認することが重要です。

▶︎次に取引先責任者を確認

取引先が確認できたら、その商談に関係する取引先責任者を確認します。

該当する取引先責任者が登録されていれば、その情報を使用します。
登録されていなければ、Slackbotから新規作成するかどうかを確認する手順にしています。

ここで重要なのが、商談との関連付けです。

Salesforceでは、取引先責任者が登録されていても、商談の[取引先責任者の役割]に自動的に登録されるとは限りません。

そのため、単に取引先責任者の存在を確認するだけでなく、商談の[取引先責任者の役割]に紐付ける処理まで手順に含めています。
人が操作すると忘れてしまいがちな作業でも、スキルに確認手順を登録しておけば、毎回同じ観点で処理を進めやすくなります。

▶︎商談を作成し、canvasに情報を整理

必要な取引先や取引先責任者を確認したら、Salesforceに商談を作成します。

その後、商談の経緯や背景情報を整理したcanvasを作成します。
たとえば、canvasには次のような情報を記載します。

  • 商談名:Salesforce導入支援
  • 取引先:サンプル株式会社
  • 商談の背景:営業管理業務を効率化したい
  • 相談内容:現在の営業管理方法の見直し
  • 今後の対応:現行業務のヒアリングと提案準備
  • Salesforce商談レコード:作成した商談へのリンク

これにより、Salesforceには商談として管理すべき情報を登録し、canvasには商談の背景や経緯を整理して残すという役割分担ができます。

Slackでやり取りしている途中でも、canvasからSalesforceの商談レコードにアクセスできるようにしておくと、情報の確認がしやすくなります。

Slack_lab_02_work

※上記はサンプルデータを使用した画面イメージです。実際に利用できる処理や表示は、Salesforce連携の設定、Slackbotから利用できるツール、権限などによって異なります。

 


商談作成をスキル化するメリット

今回のような商談作成スキルには、主に3つのメリットがあります。


1. 入力・確認作業の手間を減らせる
通常、商談を作成するときは、Salesforceで取引先を探し、取引先責任者を確認し、必要に応じて新規作成し、最後に商談を登録します。
複数のレコードを開きながら作業する必要があり、確認事項も少なくありません。
スキルを活用すると、こうした一連の手順をSlackbotとの会話を通じて進められるため、操作や確認にかかる手間を減らせます。

2. 入力漏れや関連付け忘れを防ぎやすくなる
弊社の事例では、取引先の法人番号や[取引先責任者の役割]など、忘れやすい確認事項をスキルに組み込んでいます。
もちろん、スキルを作成しただけですべての入力漏れがなくなるわけではありません。
しかし、あらかじめ確認手順を定義しておくことで、担当者によって作業が抜けてしまうリスクを減らすことが期待できます。

3. 社内ルールを標準化しやすくなる
今回、最も大きなメリットだと考えているのが、業務ルールの標準化です。
Salesforceを利用していると、システム上は入力できるものの、社内ルールとして追加で確認すべき事項が存在することがあります。
こうしたルールは、マニュアルに記載していても、日々の作業で徹底するのが難しい場合があります。
スキルとして手順を登録しておけば、誰が商談を作成する場合でも、同じ確認事項に沿って作業を進められます。
また、社内ルールが変更された場合も、Slackbotに修正内容を伝えてスキルを更新できます。

業務担当者が自然言語でルールを追加・修正できることは、スキルならではの魅力です。


スキルを利用するときの注意点

便利なスキルですが、利用時に注意したい点もあります。

まず、Salesforceに登録されているデータが正しいことが前提です。
既存の取引先や取引先責任者に重複・誤登録がある場合、Slackbotが適切なレコードを判断できないことがあります。
また、法人番号の確認では、同じような名称の法人が複数存在することがあります。名称だけで判断せず、所在地なども確認する必要があります。
特に、Salesforceにレコードを新規作成する場合は、作成前に内容を確認する手順を設けることが重要です。

さらに、Slackbotが参照・更新できるSalesforceの情報は、接続設定やユーザーの権限によって制限されます。
スキルに手順を記載していても、必要な操作を実行する権限やツールがなければ、その処理は完了できません。
スキルは業務手順を定義する仕組みであり、外部システムの権限や入力規則を置き換えるものではないという点は押さえておきたいところです。

また、AIが生成した内容には誤りが含まれる可能性があります。
特に、商談金額、取引先、取引先責任者の関連付けなど、業務上重要な情報については、作成結果をSalesforce側でも確認することをおすすめします。


まとめ

今回は、Salesforce連携を活用し、Slackbotで「商談作成スキル」を作る方法と、その活用イメージをご紹介しました。

商談を作成する際には、単に商談名や金額を登録するだけでなく、取引先の確認、法人番号の登録、取引先責任者の確認、[取引先責任者の役割]の設定など、さまざまな作業が発生します。
これらの手順をスキルに登録しておくことで、入力作業の効率化だけでなく、確認漏れの防止や社内ルールの標準化にもつながります

また、スキルの作成や修正をSlackbotとの自然言語によるやり取りで進められる点も魅力です。
これまでマニュアルなどで管理していた業務ルールを、Slackbotが参照できる作業手順として整備することで、日々の業務に組み込みやすくなります。

SalesforceとSlackの連携は、単に情報を確認・共有するだけではなく、業務の進め方そのものを効率化するための手段にもなります。

皆さんの業務でも、毎回同じ手順で行っている作業や、確認漏れが起きやすい作業があれば、Slackbotのスキルとして整理できないか検討してみてはいかがでしょうか。

 
 
 

著者情報 山本 孝夫(やまもと たかお)

ビズブースト株式会社でSalesforce製品の導入支援を行う傍ら、Tableau推進委員会のメンバーとしてひっそりとマニアックなデータの可視化を進める。