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【BtoB製造業 営業本部長・部長向け】なぜインサイドセールスは孤立するのか?営業部長が見直すべき“失敗”の構造と解決策

作成者: ビズブースト編集部|Feb 23, 2026 11:38:09 PM

 

「営業のDX」や「働き方改革」の一環として、インサイドセールスを内製化した製造業は少なくないでしょう。しかし、立ち上げてから半年〜1年で成果が伸び悩み、人材が定着せずに縮小・頓挫してしまうケースが多発しています。

「結局、インサイドセールスはうちの会社には向いていない」

そう結論付けてしまい、フィールド営業に頼る従来の体制に逆戻りしてはいないでしょうか。

本記事は、インサイドセールスの“人材不足”という表面的な課題の裏にある「組織・戦略の設計不備」という本質的な問題に焦点を当て、それを解決するための営業本部長が取るべき意思決定について解説します。この記事が、貴社の営業構造を根本から変革する一助となれば幸いです。

 

目次

  1. 現場で起きているインサイドセールス内製化の“リアルな”問題

     

  2. 本部長が主導すべき「インサイドセールス成功」への意思決定と設計

     

  3. インサイドセールス成功後の姿と、よくある反論への回答

     

  4. まとめ:インサイドセールスの失敗は“戦略未設計”のサイン

1.  現場で起きているインサイドセールス内製化の“リアルな”問題 

BtoB製造業の営業現場では、インサイドセールス内製化が、しばしば以下のような“失敗プロジェクトと化しています。

    • 成果が出ない
      フィールド営業への商談化率が低く、営業パイプラインを太くできない。インサイドセールスが創出する商談は「質が低い」「温度感が低い」と評価され、フィールド営業は結局、自分で見込み客を探し始める。
    • 人が辞める
      テレアポやメール業務に疲弊し、モチベーションを維持できず離職者が増える。「この仕事はただのオペレーターだ」と認識され、専門性が身につかないと感じる人材が流出する。
    • 機能停止
      チームが縮小し、最終的には「インサイドセールスはうまくいかない」という社内認識が定着。営業部門全体が「新しい取り組みは失敗する」というマインドセットに陥ってしまう。

これは、決して現場のインサイドセールス担当者のスキル不足や努力不足ではありません。

なぜ、インサイドセールスの内製化は頓挫するのか?

多くの企業で見られるインサイドセールス失敗の要因は、以下の4つに集約されます。

    • 「とりあえず、インサイドセールス」という安易な導入
      コロナ禍でのリモートワーク普及や、展示会の中止など、外部環境の変化に直面した多くの企業が、流行に乗る形でインサイドセールスを導入しました。「競合もやっている」「DXを進めるには必要だ」という理由だけで、自社の営業構造や顧客特性に合わせた設計がないままスタートさせてしまったケースがほとんどです。
    • 人手不足を「採用」だけで解決しようとする
      インサイドセールスの担当者が足りないからといって、無計画に増員しても状況は改善しません。本来は、インサイドセールスの育成計画や役割設計がなければ、どんな優秀な人材が入社してもすぐに離職してしまいます。特に製造業の場合、技術的な知識や業界特有の商習慣への理解が不可欠ですが、そのための教育体制が不十分なまま「とりあえずアポを取ってきて」と丸投げされてしまうのです。
    • インサイドセールスの役割が不明瞭で孤立している
      「とりあえずアポを取ってくる人」という位置づけになっていませんか? これでは、担当者は単調な業務に陥り、顧客との関係構築やフィールド営業への引き継ぎといった、本来の役割を果たすことができません。さらに、営業、マーケティング、インサイドセールスの各部門が個別の目標を追う「縦割り」の組織構造が、部門間の連携を形骸化させます。情報が共有されず、分業体制が機能不全に陥ってしまうのです。
    • 営業成果との接続が不十分で、KPIと現場行動がズレている
      「架電件数」や「アポイント件数」といった量を重視したKPIは、質を軽視しがちです。これにより、インサイドセールスは商談の「数」を追うだけで、フィールド営業が受注につながる商談を創出するという、本来の目的から外れてしまいます。結果として、インサイドセールスは成果が見えにくくなり、フィールド営業からは「質の悪い商談ばかり」と不満の声が上がってしまいます。

これらの課題は、現場の努力だけでは解決できません。営業本部長という、組織全体を見渡し、戦略を設計する立場にある方が、根本的な問題にメスを入れる必要があります。

 

2. 本部長が主導すべき「インサイドセールス成功」への意思決定と設計

インサイドセールスは、現場改善ではなく“営業構造の改革そのものです。そして、その責任と権限を持つのは、紛れもなく営業本部長です。インサイドセールスを単なるコストセンターではなく、営業成果に直結する重要な投資と捉え直し、以下に示す3つの意思決定を断行してください。

1. “採用の前に設計ありき”という方針転換

「人がいないから、うまくいかないんだ」という発想を捨てましょう。まずは、インサイドセールスがどのような役割を担い、どう成果に貢献するのかを明確に定義し、組織としての設計を固めることが先決です。

 (1) インサイドセールスの役割を再定義する

単なるアポ取りから脱却し、「見込み顧客の育成」「休眠顧客の掘り起こし」「技術的な一次質問対応」など、多様な役割を担う部門として位置づけます。特に製造業の場合、技術的な知識や業界特有の商習慣への理解が不可欠ですが、そのための教育体制が不十分なまま「とりあえずアポを取ってきて」と丸投げされてしまうのです。これにより、インサイドセールスはフィールド営業やマーケティングと対等なパートナーとして、協業する意識が生まれます。

 (2) 採用・育成計画と評価制度を連動させる

闇雲に採用するのではなく、インサイドセールスで活躍するために必要なスキル(ヒアリング力、提案力、マーケティング知識など)を定義し、それに合わせた採用・育成プログラムを策定しましょう。評価制度も「架電数」のような単純な指標ではなく、「商談の質評価(フィールド営業からのフィードバック)」「受注貢献金額」といった、より本質的な成果を評価する仕組みに切り替えます。

2. 成果を出すためのKPI再設計(量×質×連携)と部門間プロセスの整理

「架電数」のような行動量だけのKPIでは、いつまでもインサイドセールスの成果は上がりません。KPIを再設計し、量だけでなく質と部門間の連携を評価する指標を取り入れましょう。

 (1) 営業プロセス全体を可視化する

まずは、リード獲得から受注、そしてカスタマーサクセスまでの営業プロセス全体をマップ化してください。その上で、「どのステップでボトルネックが発生しているか」「インサイドセールスはどの部分を担うべきか」を具体的に特定します。これにより、インサイドセールスが漠然とした「営業活動」ではなく、明確な役割を持つことができます。

 (2) SFA/CRMの活用を徹底する

SFASales ForceAutomation)やCRMCustomerRelationship Management)といったツールを導入するだけでなく、インサイドセールスが入力した顧客情報が、どのようにフィールド営業の商談に役立つかを明確にします。例えば、「顧客の課題」「競合製品の利用状況」「購買意思決定者の情報」といった質の高い情報をインサイドセールスが引き出し、SFAに詳細に記録するルールを徹底します。これにより、フィールド営業は事前に十分な情報を持った上で商談に臨むことができ、受注率が向上します。

 (3) 部門横断プロジェクトチームを立ち上げる

営業、マーケティング、インサイドセールスの各部門長・担当者を巻き込んだ定例会議を立ち上げましょう。ここでは、情報共有ルールの徹底(顧客情報の入力ルール、商談の共有フォーマットなど)や、合同勉強会・研修(マーケティング担当者が営業部門にリードの背景を説明する、インサイドセールス担当者がフィールド営業に商談の経緯を伝えるなど)を実施し、部門間の相互理解を深めます。

 

3. インサイドセールス成功後の姿と、よくある反論への回答

インサイドセールスは「コスト」ではなく、「未来への投資」です。この投資が成功したとき、貴社の営業組織は劇的に変わります。

インサイドセールス成功後の姿

    • フィールド営業の変化
      インサイドセールスが創出した質の高い商談に集中でき、受注率が飛躍的に向上します。移動時間や無駄な訪問が減り、既存顧客との関係構築や、より高度な提案活動に時間を割くことができるようになります。
    • マーケティングの変化
      インサイドセールスからのフィードバックを得ることで、より精度の高いリード獲得施策を実行できるようになります。
    • 会社全体の変化
      営業活動がデータに基づき、属人化から脱却します。社員のモチベーションが向上し、離職率が低下。新規事業の立ち上げなど、新たなチャレンジへの道が開けます。

本部長の「よくある反論」への回答

 反論1:「人的コストがかかる」
インサイドセールスをコストと考えるのではなく、営業生産性を向上させるための投資と捉えてください。質の低い商談をフィールド営業が追う非効率な現状を打破し、長期的な受注率向上と営業コスト削減に繋がることを説明すれば、社内の理解も得やすくなります。

 反論2:「うちの商材は複雑すぎて、インサイドセールスには無理だ」
複雑な商材でも、インサイドセールスが貢献できる役割は多数あります。例えば、ウェビナー参加者へのフォロー、技術資料の提供、顧客の課題やニーズの一次ヒアリング、技術者との面談設定などです。すべての商談をインサイドセールスが完結させる必要はありません。重要なのは、営業プロセス全体における役割分担を明確にすることです。

 反論3:「フィールド営業が反発するのではないか」
これは、インサイドセールス導入の目的とメリットをフィールド営業に十分に説明できていないことが原因です。「フィールド営業の仕事が奪われる」と誤解されないよう、「より質の高い商談に集中できる」「移動時間が減り、残業も減る」といったメリットを丁寧に伝え、「インサイドセールスはあなたのパートナーだ」というメッセージを繰り返し発信してください。

4. まとめ:インサイドセールスの失敗は“戦略未設計”のサイン

インサイドセールスの内製化がうまくいかない原因は、「人がいない」ことではありません。その裏にある本質的な課題は、「営業構造の再設計」という上位の戦略が不在であることです。

多くの製造業が、インサイドセールスを「現場の努力で何とかする」という戦術レベルで導入し、結果として頓挫しています。しかし、インサイドセールスの失敗は、貴社が「分業営業モデルの再構築」や「営業プロセス全体の最適化」に取り組むべきタイミングだというサインです。そして、その改革を主導できるのは、現場の枠を超えて意思決定できる本部長の皆様です。

この機会に、インサイドセールスを「営業成果に直結する構造」として再定義し、貴社の営業力強化の原動力にしてください。

インサイドセールスの再構築は、ビズブーストにお任せください

インサイドセールスを成功させるためには、組織全体を巻き込む戦略的な設計が不可欠です。
しかし、「何から始めればいいかわからない」「社内に知見がない」とお悩みではないでしょうか。

ビズブースト株式会社では、貴社の現状に合わせてインサイドセールス組織の立ち上げから運用までを支援するコンサルティングサービスを提供しています。また、戦略設計から実行までを伴走する実務支援サービスもございます。

 

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