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採れない・育たない時代の営業設計
インサイドセールスが成果を出す仕組みは営業企画がつくるColumn

2026.03.02

採れない・育たない時代の営業設計 インサイドセールスが成果を出す仕組みは営業企画がつくる

 

目次

  1. BtoB製造業の営業企画部長へ。そのインサイドセールスチーム、「人材不足」が本当に本質的な課題ですか?

     

  2. 現場は気づけない――BtoB製造業インサイドセールスの“構造的な”課題

     

  3. 営業企画が担うべき「インサイドセールス成果設計」の役割

     

  4. まとめ:インサイドセールスは「営業企画」の腕の見せどころ

1.  BtoB製造業の営業企画部長へ。そのインサイドセールスチーム、
「人材不足」が本当に本質的な課題ですか?
 

「インサイドセールスを内製化したものの、なかなか成果が出ない。そもそも、いい人材が採用できないし、せっかく採用してもすぐに辞めてしまう。結局、フィールドセールスの負担が増える一方で、マーケティング投資も回収できていない。」

BtoB製造業の営業企画部長であるあなたなら、こうした課題に直面しているかもしれません。

上層部からは「何のためにインサイドセールスを立ち上げたのか?」と問い詰められ、現場からは「質の低い商談ばかり回されても困る」と突き上げられる。あなたは八方塞がりの状態かもしれません。

しかし、その課題、本当に「人材不足」が原因でしょうか?

優秀なインサイドセールス人材は確かに希少です。しかし、そもそも「優秀な人材がいなくても成果が出る仕組み」がなければ、どんなに優秀な人材を採用しても、その能力を活かすことはできません。そして、その仕組みを設計し、全体をを俯瞰できるのは、営業企画部門であるあなたしかいないのです。

 

2. 現場は気づけない
BtoB製造業インサイドセールスの“構造的な”課題

多くのBtoB製造業では、インサイドセールスの立ち上げ時、「とりあえずテレアポ部隊」としてスタートし、個々のメンバーの能力や頑張りに依存しがちです。その結果、以下のような「構造的な課題」が生まれます。

    1. 採用しても定着しない、育たない
      営業人材の母数が限られるBtoB製造業では、インサイドセールスの採用は特に困難です。ようやく採用できても、教育プロセスが標準化されておらず、成果が出せずに早期離職してしまう悪循環に陥ります。
    2. 活動が属人化し、標準化されていない
      活動内容が個人の経験や勘に頼っているため、誰がやっても一定の成果が出せるような仕組みがありません。結果として、成績は個人差が大きく、再現性のない組織になってしまいます。
    3. フィールドセールスとの連携がうまくいかない
      インサイドセールスが商談を創出しても、フィールドセールスに「質の低い商談だ」と受け取られ、商談化率が低迷します。フィールドセールスとの間に溝が生まれ、組織全体としての成果が上がりません。
    4. マーケティング投資が回収できない
      商談化率が低いため、マーケティングで獲得した見込み客が適切にフォローされず、マーケティング投資が「垂れ流し」状態になります。

これらの課題は、単なる「人材」の問題ではなく、インサイドセールスの「設計不足」が原因である可能性が高いのです。

3. 営業企画が担うべき「インサイドセールス成果設計」の役割

営業企画部門は、インサイドセールス、フィールドセールス、マーケティングをつなぐ唯一の部門です。現場の「やりにくさ」や「非効率」を吸い上げ、部分最適ではなく、営業プロセス全体の最適化を設計する役割を担っています。

そして、「人材が育たない」という現場の声は、「営業体制が未設計」であるサインだと捉え、以下の4つのポイントで営業プロセス全体を再設計する必要があります。

1. インサイドセールスが回るための「プロセス設計・KPI設計・人材設計」の再構築

多くの企業では、インサイドセールスのKPIを「架電数」や「アポイント獲得数」といった量的な指標に設定しがちです。しかし、これでは本質的な改善につながりません。重要なのは、最終的なビジネス成果につながる「質的なKPI」を設計することです。

◆KPI設計の具体例

  • 反応率見込み客リストに対するメール開封率、クリック率、架電応答率。この数値が低ければ、リストの質やアプローチ方法に問題があることがわかります。
  • 有効商談化率(SQL化率)インサイドセールスが見つけた商談候補から、フィールドセールスが正式な商談(SQLSales Qualified Lead)として受け入れた割合。この数値が低ければ、商談の定義やインサイドセールスからフィールドセールスへの引き継ぎプロセスに課題があります。
  • 受注貢献率インサイドセールスが創出した商談が、最終的にどれだけ受注につながったか。このKPIを追うことで、インサイドセールスが単なるアポイント取りではなく、事業成長にどれだけ貢献しているかを評価できます。

これらのKPIを段階的に設定することで、インサイドセールスチームの活動におけるボトルネックが明確になり、具体的な改善策を立てることができます。

◆人材設計の考え方

「人材を育てる」という発想から、「育たなくても成果が出る仕組み」を設計するという発想へ転換しましょう。例えば、以下のようなアプローチが有効です。

  • 既存人材の活用フィールドセールスの経験者がインサイドセールスに配置転換することで、質の高い商談を創出できます。
  • 新卒・異業種人材の育成トークスクリプトやツールを整備することで、専門知識がなくても早期に立ち上がり、成果を出せるようにします。

2. 「育たなくても成果が出る」仕組みの構築

インサイドセールスは、専門知識を必要としますが、それを個人の能力に依存させてはいけません。誰が担当しても一定の成果が出せるよう、以下の仕組みを構築することが重要です。

◆成功ノウハウの形式知化

  • トークスクリプト・ヒアリングテンプレートどのような質問をすれば、商談の質が高まるのか、どのような情報をヒアリングすればフィールドセールスが動きやすくなるのかを明確にします。優秀なメンバーのトークを録音・文字起こしして、ベストプラクティスとして共有しましょう。
  • 対応ログの型化SFA(営業支援システム)にどのような情報を、どのような粒度で入力するかをルール化します。例えば、「顧客の課題」「提案商材の候補」「次へのアクション」といった項目を必須にすることで、フィールドセールスへの引き継ぎ漏れを防ぎます。
  • ステータス設計見込み客がどの段階にあるのかを共通言語で定義します(例:コールドリード、ウォームリード、有効商談化済み)。これにより、誰が見ても状況がわかり、各部門がスムーズに連携できます。

3. 営業・マーケティング・インサイドセールスの「連携設計」

営業プロセスを分業化したからには、各部門の連携が不可欠です。営業企画部門は、その連携を主導する唯一の立場です。

◆連携不足がもたらす損失の具体例

【シナリオ1】:マーケティングとインサイドセールスの連携不足
  • マーケティングが大規模な展示会に出展し、数百件のリードを獲得しました。
  • しかし、インサイドセールスにリードの情報が適切に共有されず、どのリードが特に熱心なのかわからないまま、手当たり次第に架電。
  • 結果、多くの見込み客を逃し、展示会投資はほとんど回収できませんでした。
【シナリオ2】:インサイドセールスとフィールドセールスの連携不足
  • インサイドセールスは、懸命に架電を繰り返し、アポイントを獲得。
  • しかし、フィールドセールスには「ただの製品説明希望で、具体的な課題がない」と判断され、商談に発展せず。
  • インサイドセールスは「こんなに頑張っているのに」と不満を募らせ、フィールドセールスは「時間の無駄だ」と感じ、両者の間に溝が生まれます。

◆SFA/CRMを中心とした連携モデル

SFA/CRM「全社共通の情報プラットフォーム」として位置づけ、以下の連携モデルを構築します。

    1. マーケティング
      ウェブサイトでの行動履歴、ダウンロード資料、展示会での名刺情報などをSFAに自動連携します。
    2. インサイドセールス
      SFAのリード情報を見て優先順位をつけ、架電・メールでアプローチ。顧客とのやり取りやヒアリング内容をすべてSFAに入力します。
    3. フィールドセールス
      インサイドセールスが入力した情報を基に商談の質を判断し、スムーズに商談を開始します。商談の進捗や結果もSFAに入力し、インサイドセールスにフィードバックします。

このサイクルを回すことで、各部門が「共通の目標」に向かって、「共通のデータ」で活動できるようになります。

4. 必要に応じて「外部支援とのハイブリッド構成」を設計する発想

インサイドセールスを全て自社で内製しようとすると、人材確保や育成、仕組みづくりに多大なリソースを要します。特に、立ち上げ初期や、仕組みが定着するまでの間は、無理に全てを内製するのではなく、外部の専門企業の力を借りることも有効な選択肢です。

◆ハイブリッドモデルの具体的なパターン

  • 立ち上げ支援型プロセスの設計や、トークスクリプトの作成、SFAの運用設計を外部のコンサルタントに委託し、自社は「仕組みの定着」に集中します。
  • 業務代行型インサイドセールス業務の一部(例:リードへの初回接触)を外部に委託し、自社のリソースはより複雑なヒアリングや商談創出に集中させます。
  • 人材補填型採用が難しい時期に、外部のリソースを活用して、インサイドセールスの活動量を維持します。

これにより、自社の人材は「仕組みを回す」ことに集中でき、より効率的にインサイドセールスを機能させることができます。

4. まとめ:インサイドセールスは「営業企画」の腕の見せどころ

インサイドセールスの成果不振は、往々にして「人材」の問題として片付けられがちです。しかし、その根底には、営業プロセス全体の設計不足が隠されています。

そして、その全体最適を設計できるのは、現場と経営をつなぐ「営業企画部門」だけです。

インサイドセールスを「単なるテレアポ部隊」から「会社の成長を加速させるエンジン」へと変革させるには、今こそ、営業企画部門が主導して、成果を出すための仕組みを再構築する必要があるのです。

貴社のインサイドセールスは、単なる「人材」の問題に直面しているのではなく、「仕組み」を再構築する機会に恵まれているのかもしれません。

ぜひ、この機会を活かし、全社的な営業改革の起点として、インサイドセールスを再設計してみてはいかがでしょうか?

貴社の営業プロセスを改善するための具体的な方法について、ご相談ください。

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著者情報 ビズブースト編集部

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